2026年2月12日、SkyDriveは、台湾の大型ドローンシステム会社である新楽飛無人機(以下、7A Drones)と、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」の機体購入に向けた基本合意書(LOI)を締結し、10機の購入および具体的な価格・納品スケジュールの基本条件に合意したと発表した。また、澎湖諸島澎湖本島と二次離島を結ぶ緊急医療搬送航路案を策定した。

新楽飛無人機とSkyDriveのロゴ

 空飛ぶクルマの開発をすすめるSkyDriveは、2025年の大阪・関西万博および大阪都市部において約1か月半にわたるデモフライトを成功させ、次のマイルストーンとして2028年の商用化を目指している。

 7A Dronesは、台湾においてドローンの高度な運用やコンサルティング、パイロット育成など、空のモビリティに関する幅広いソリューションを提供している。

 両社は2025年5月、台湾における空飛ぶクルマの社会実装に向けた業務提携を締結。同時に、最大10機のプレオーダーに合意し、台湾・澎湖諸島での患者や医師の緊急医療輸送を対象としたユースケースの検討を進めてきた。

 両社は商用化に向けた協議を重ねた結果、これまでの検討段階から前進し、SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)10機の購入および具体的な価格・納品スケジュールの基本条件合意に至った。この合意には、2028年に1機、2029年に4機のデリバリーが含まれ、残り5機の納期は協議中である。

機体購入の流れ

澎湖諸島における具体的な航路計画について


 SkyDriveと7A Dronesは、澎湖諸島の中心地である澎湖本島(馬公市)と、二次離島の虎井を結ぶ緊急医療搬送航路案を策定した。

 澎湖諸島は大小90の島々で構成され、冬季の荒天時には船舶が欠航し、離島間の移動が制限されるという慢性的な課題がある。特に、虎井には簡易的な公設診療所しかなく、重症患者が発生した際は馬公市の病院へ迅速に搬送しなくてはならない。

 従来の船舶やヘリコプター搬送を補完する手段として、即応性のある空飛ぶクルマを活用することで、安定した救急医療体制の構築を目指す。

台湾周辺地図に示された澎湖諸島、澎湖本島と虎井を結ぶ緊急医療搬送航路のイメージ図

各社コメント

SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩氏


 この度、台湾のパートナーである7A Drones社と機体購入に関する基本合意(LOI)を締結できたことを大変嬉しく思います。今回の合意は、SkyDriveにとってアジア市場における初めてのLOI締結であり、私たちの海外展開における極めて重要なマイルストーンとなります。
 特に注目すべきは、澎湖諸島における緊急医療搬送という、SkyDriveにとって初めての医療分野でのユースケースを具体化した点です。島嶼部特有の交通課題に対し、「空飛ぶクルマ」が持つ即応性と安定性を活かすことで、救急医療体制の強化という社会貢献性の高い事業に挑戦できることに大きな意義を感じています。
 2028年の商用化に向け、7A Drones社およびITRIとの連携をさらに深め、台湾の皆様に安全で利便性の高い『空の移動』を一日も早くお届けできるよう、機体開発と社会実装を加速させてまいります。

新楽飛無人機 CEO Hsin-Sheng, Hsu(許新勝)氏

 この度、SkyDrive社と機体の購入検討に関する基本合意書(LOI)を締結できたことを、大変嬉しく思います。この合意は、当社にとって非常に意義深いマイルストーンであると考えています。本LOIは、次世代エアモビリティ分野におけるSkyDriveをはじめとする日本企業との協業の可能性を探る上での重要な一歩となります。
 特に、澎湖諸島における緊急医療輸送に空飛ぶクルマを活用するという構想は、交通制約や医療サービスへの公平なアクセスなど、離島コミュニティが直面する課題を解決するための有効なアプローチの一つになり得ると考えています。
 いわゆる「空飛ぶクルマ」のような新しいモビリティが、いかに実用的かつ社会的に意義のある形で地域社会に貢献できるか、ステークホルダーの皆さまと慎重かつ建設的な対話を進めていくことが不可欠だと考えています。当社は今後、SkyDriveをはじめとするパートナーと緊密に連携し、情報や知見を共有しながら、本取り組みの実現に必要な技術や運用、および規制面について綿密に検討していきます。
 本プロジェクトを通じて、台湾と日本の民間レベルでの実質的な協力と対話が深まり、次世代モビリティ分野における国境を越えた長期的な連携の発展に貢献したいと考えています。