2026年9月15日、高高度プラットフォームシステム(HAPS)を開発する米国企業のSceyeは、同社の「サービステスト1(ST1)ミッション」において、米国ニューメキシコ州と日本を往復する太平洋横断飛行を経て米国に帰還したことを発表した。

格納庫から飛び立つHAPS

 浮力を利用して飛行するLTA型HAPSであるST1は、2026年8月9日に打ち上げられ、13日後に日本へ到着。ソフトバンクと連携して日本上空の成層圏で1週間にわたって通信試験を行った。

 半径最小5km以内に機体位置を保持しながら高度約16.5~17kmを飛行し、通信(テキスト、音声通話、動画ストリーミング等)やドローン、緊急速報メールシステムの実証を行った。

 成層圏からのエッジコンピューティングの技術検証では、HAPS搭載サーバーを通じてプラットフォーム上で直接データ処理を実施。応答処理時間が往復平均68ミリ秒であることを実証し、通常のクラウド処理と比較して通信遅延を40%以上削減した。

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 ST1は「空中の携帯電話基地局」であるSceyeCELLを搭載しており、HAPSを本格的に展開した場合は1基で地上タワー約500基分に相当するエリアをカバーするよう設計されている。

 成層圏は、地球からの距離が静止衛星の1,800分の1と地表に近いため、高精度な観測が可能でコストも抑制する。HAPSは大容量で広範囲をカバーし、昼夜を問わず成層圏内で高度とミッション範囲を維持できる。

 ST1は30日間にわたって約3万kmを移動し、2026年9月4日に米国本土に帰還。9月5日にはニューメキシコ州モリアーティのSceye本社付近の空域に到達し、追加車両テストを行い計画通りプロジェクトを終了した。

写真:浮かび上がるHAPS