2026年7月7日、テックファームは、老朽化した社会インフラの点検需要拡大を見据え、狭小空間向けドローンを活用した高精細3Dモデル化事業に参入すると発表した。リベラウェア社のゴールドパートナーとして、機体提供からデータ取得、3Dモデル化、訓練環境の整備、現場導入・定着までを一体とした導入支援パッケージを展開し、3年間で100セットの提供を目指す。
全国の下水道管路総延長は約50万kmにおよび、このうち標準耐用年数50年を超えた管路は約4万kmに達している。今後10年で約10万km、20年で約21万kmへ増加する見通しで、維持管理体制の再構築が全国的な課題となっている。
一方で、下水道管路や地下空間は有毒ガスや酸欠の危険を伴う特殊環境でありながら、人による目視調査への依存度が高く、機材導入に加え人材と運用基盤の拡充が求めらている。
ドローンビジネス市場では点検分野が約4割を占め、老朽インフラ対策やDX推進を背景に、2025年度1,003億円から2028年度1,500億円への成長が見込まれている(インプレス「ドローンビジネス調査報告書2026」より)。一方で、国土交通省はドローン普及の課題として、機体や操縦士の不足、研修・資格制度整備の必要性を挙げている。
こうした中、テックファームは狭小空間点検ドローン「IBIS2」の機体提供に加え、取得データの活用まで含めたインフラ点検DXを推進する。XR、3D空間構築、デジタルツイン関連開発のノウハウを応用し、ドローンで取得した映像・画像データをもとに設備内部を高精細に3Dモデル化。これにより設備状態の把握や共有を遠隔でも可能にし、点検履歴や劣化状況を重ね合わせた維持管理支援につなげていく。あわせてIBIS2の導入を検討する事業者向けの理解促進ツールや、将来的な運用支援メニューとして操縦訓練シミュレーターについても実装していく。
IBIS2は約20cm四方、243gの軽量機体で、直径50cmの配管内も飛行可能な狭小空間向け点検ドローン。人が立ち入りにくい環境の安全な映像取得に適しており、下水道管路の全国特別重点調査などで実績を持つ。
テックファームは、狭小空間ドローンと高精細3Dモデル化技術を組み合わせることで、現場導入からデータ活用までを支える点検DX基盤の提供を進める。まずは、ニーズの高い下水道管路点検分野を起点にパッケージの提供を開始する。将来的には、共同溝や地下管廊、トンネル、発電設備、プラント、工場設備など、人が立ち入りにくい空間を持つインフラ分野での需要拡大を見込む。
