在日ウクライナ商工会議所は、2026年7月6日、日本外国特派員協会において記者会見を開き、「日本・ウクライナ ドローンクラスター」(以下、JUDC)の始動を発表した。

写真:並んだ3人
(左から)錦明實業 CEO Chien Hao-Ting氏、神戸学院大学教授/日本ウクライナ研究会会長 岡部芳彦氏、在日ウクライナ商工会議所 会頭 ヤボルスカ・カテリーナ氏

 JUDCは、ウクライナで蓄積された無人機・無人システム、サイバーセキュリティ、通信、AI、自律制御などの技術と実運用知見を、日本の製造力や品質管理、そして台湾・ASEANを含むアジアと結びつけるための新たな産業連携プラットフォームである。

 日本とウクライナの二国間協力に加えて、台湾やASEANを含むアジアの企業、研究機関、大学、産業団体、自治体、公共機関、投資家など、多様な関係者との実務的な連携を通じて、民生・公共分野における新たな技術活用と社会実装を目指す。

 当初、同構想は空飛ぶクルマやドローン物流など、次世代モビリティにおける日本・ウクライナ連携の可能性を模索する議論から始まった。しかし、ウクライナが厳しい環境の中で蓄積してきた無人機・無人システムの実運用知見は、特定のモビリティ分野にとどまらず、より広い民生・公共分野へ応用可能であると判断し、今回の広域なクラスター発足に至った。

 対象となるのは空中だけでなく、水上や水中、地上の無人システム全体に及ぶ。これらの技術と運用ノウハウを、災害対応、インフラ点検、アクセス困難地域での医療・物流、海洋安全、環境モニタリング、公共安全、次世代モビリティなど、民生・公共分野での社会実装につなげることを目指す。

 JUDCは、在日ウクライナ商工会議所が有するネットワークを通じて、ウクライナの企業、技術者、クラスター、関連団体、専門パートナーとつながり、具体的な技術連携、実証、共同研究開発、事業化の可能性を検討する。

 在日ウクライナ商工会議所は500社を超える無人機関連企業へアクセスが可能で、法務・輸出管理・物流などについても、専門パートナーと連携してプロジェクト形成を支援する。

 JUDCは、無人システムを中心に、通信、AI、センサー、インフラ点検、防災、物流、海洋技術、次世代モビリティなど、社会実装につながる幅広い分野で連携を進めていく。

【主な活動内容】

 技術紹介、マッチング、勉強会・セミナー、ビジネスミッション、PoC・実証プロジェクト、市場適応支援、産業・研究連携などの活動を推進する。ウクライナおよび日本の無人システム、AI、通信、センサー、ロボティクスなどの関連技術を紹介し、企業、研究機関、自治体、投資家などの関係者をつなぐことで、共同開発、実証、事業化に向けたパートナー形成を支援する。

 また、無人システム、デュアルユース技術、防災、インフラ点検、物流、次世代モビリティなどをテーマに、専門家を交えた勉強会やセミナーを開催し、必要に応じて日本・ウクライナ間の相互訪問、企業視察、現地関係者との面談、実際の運用環境を想定したPoC・実証プロジェクトの組成も支援していく。

 JUDCの運営企画・推進主体は在日ウクライナ商工会議所が担う。ウクライナ側からは、ウクライナ・デュアルユーステッククラスターが戦略的パートナーとして参画し、無人システム分野の知見を提供する。連携パートナーとして、ハルキウITクラスターがウクライナの技術企業、スタートアップ、IT人材、研究開発ネットワークとの接点づくりを支援する。

 また、国際的な信頼性を担保するため、国際法や各国法令、制裁・輸出管理などのコンプライアンスを遵守する。必要に応じて、関係者の事業内容や取引関係などについて確認を行うなど、関係者が安心して協業できる信頼性の高い連携基盤を構築する。

 今後JUDCは、アジアの企業、研究機関、大学、産業団体、行政機関、投資家等と対話を進める。また、ウェビナー、説明会、勉強会、個別相談などを通じて、ウクライナの無人システム関連技術、サイバーセキュリティ、通信、自律制御、サプライチェーン連携、協業可能性について理解を深める機会を設けていく。さらに、技術実証、共同開発、ビジネスマッチング、産業イベント、ワーキンググループ、ビジネスミッション、PoC・実証プロジェクトなど、具体的な連携機会の創出を進める方針だ。