2026年5月6日、ASOLAB.(アソラボ)は、ドローンで取得した可視・赤外線画像の解析から報告書作成までを一気通貫で処理する業務統合型ソフトウェア「CRITIR(クリティア)」を正式リリースした。

 建物外壁や太陽光パネルなどの赤外線点検業務が主な対象で、撮影データの取り込み・解析・劣化箇所の記録・立面オルソ生成・報告書作成の一連の工程を一つのソフトウェアに統合した。インフラの老朽化や点検技術者不足が深刻化する中、現場の作業効率を向上させ、技術者が判断や提案、品質向上に集中できる環境の構築を支援する。

モニターに表示された業務統合型ソフトウェア「CRITIR」
業務統合型ソフトウェア「CRITIR」

 インフラ点検業界では、老朽化が進む構造物の維持管理が課題となっている。ドローン搭載の赤外線サーモグラフィの活用により足場設置や高所作業を抑えた点検が可能になる一方、撮影後のデータ処理には課題があり、特に解析と報告書作成工程では専門家が手作業に時間を取られていた。

【データ処理の課題】

  • 1物件あたり数百枚に及ぶ撮影データを1枚ずつ解析する手作業。
  • 赤外線サーモグラフィのメーカー間で互換性がなく、画像形式の変換に費用や画質劣化、作業時間が発生。
  • 解析結果と報告書作成が分断され、エクセル等への貼り付け作業に多大な時間を要する。
  • ドローンメーカー純正ソフトは外壁診断や点検業務に最適化されていない。
  • 解析作業は熟練者のノウハウに依存し、属人化しやすい。

CRITIRの機能

  • マルチメーカー対応
    DJI、FLIR、HIKMICROなど計12機種の赤外線カメラに対応。メーカー間の画像形式変換が不要となり、既存のカメラをそのまま活用できる。
  • 可視画像×赤外線画像の統合表示
    可視画像と赤外線画像の同時閲覧により診断精度を高める。
  • 立面オルソ機能
    建物の壁面全体を歪みの少ない立面オルソ画像として生成。点検画像上でマーキングした劣化箇所は立面オルソ上にも反映され、位置関係の把握が容易になる。
  • 解析業務の一元管理
    劣化抽出・記録・測定・集計を一体化し、マーキングした劣化箇所の面積や距離を自動計算できるため、補修計画や積算の前段階でも活用しやすい設計。
  • 報告書作成機能の内蔵
    物件情報・撮影条件・機材情報・劣化箇所の画像・位置図などを入力するだけで報告書を出力。気象庁のアメダス情報を自動取得し、調査時の気象条件を報告書に反映する機能も搭載している。
  • 目視診断支援機能(AI検知)
    可視画像をベースとしたクラック・欠損の検出機能を搭載。赤外線診断だけでなく通常点検にも応用できる。
  • 完全オフライン運用
    ライセンス認証時やアメダス情報取得時を除き、完全オフラインで動作。セキュリティ要件の厳しい現場でも利用が可能。

料金体系

 CRITIRは、用途に応じた2つのサブスクリプションプランと買い切り型で提供する。

Light(年払い)24万円解析機能+簡易報告書(PDF)
PRO(年払い)46万円全機能・追加ライセンス無制限
買い切り115万円全機能を永続利用可、任意年間更新料10万円

※別途、オンボーディング(5~13万円)をオプションとして用意。
※全て税抜価格。
※ 2週間の無料トライアルを利用可能(サンプル画像セット同梱)。


 CRITIRは外壁の赤外線診断だけでなく、可視画像を用いた通常点検にも応用が可能。今後、橋梁やトンネルなどのインフラ点検、太陽光パネルの異常発熱の検出、商業ビル・公共施設等の建物維持管理、経年比較・劣化進行管理への展開も視野に入れている。

 ASOLAB.は、ドローンで取得した画像や点群データとAI解析データを将来的にデジタルツインプラットフォームと組み合わせることで、構造物の状態を継続的に管理する仕組みへと発展させていく構想を持つ。これにより、構造物の劣化状態をデータベース化して共有し、デジタルツインによって未来の状態を可視化することで、計画的な維持管理と投資判断につなげていくことを目指すとしている。