2026年3月4日、コーンズテクノロジーは、同社が国内代理店を務めるTeledyne FLIR(テレダインフリアー)が、可視+赤外線2眼カメラモジュール「Lepton XDS」をリリースしたことを発表した。同製品は、Leptonシリーズの特徴であるマイクロサイズ、低消費電力を踏襲しながら、視認性・識別性の高い熱画像と状況理解能力を提供する。

 この発表に伴い、コーンズテクノロジーはLepton XDSの販売および技術サポートを開始する。

「Lepton XDS」製品イメージ、撮影画像

 Lepton XDSは、160×120画素の放射温度測定(ラジオメトリック)対応Lepton 3.5マイクロサーマルカメラと、500万画素の可視センサを一体化した、組み込み用・OEM向けカメラモジュールだ。熱情報と可視情報を同時に取得することで、温度分布の把握に加え、対象物の形状や周辺環境を含めた状況認識を実現する。単一の熱画像では把握が難しい対象の識別性を高め、実用的なセンシングが可能となる。

写真:「Lepton XDS」

 従来のLeptonシリーズは、解像度が160×120画素のため対象物の形状把握が難しい場面があった。Lepton XDSは、特許取得済みのMSX(Multi-Spectral Dynamic Imaging)技術により、可視画像から抽出した輪郭(エッジ)情報を熱画像に合成し、形状情報を付加する。これにより解像度を変更することなく、視認性・識別性の高い熱画像を実現した。

通常の赤外線カメラ画像とMSX技術を使った画像
左:通常の赤外線カメラ画像・右:MSX技術を使い輪郭を鮮明にした画像

 Lepton XDSには、Teledyne FLIR独自のPrism ISPを搭載。オンボード処理によりリアルタイム画像を強化し、高度な画像処理機能群を提供、組み込み設計を簡素化する。OEMメーカーは開発工数を抑えながら迅速な製品統合と市場投入が可能となる。

【主な機能】

  • 熱画像と可視画像のリアルタイム融合
  • ROI設定、スポット温度測定、等温線表示、カラーパレット変更に対応
  • 高度な放射測定対応JPEG(RJPG)形式での保存に対応
  • FLIR Thermal Studioを含むソフトウェアエコシステムと連携し、解析・レポート作成が可能

Teledyne FLIRプロダクトマネジメントディレクター Mike Walters氏のコメント

 MSX技術は長年にわたりTeledyne FLIRの競争優位性を支えてきましたが、Lepton XDSによって、その技術をコンパクトでOEM向けに最適化されたモジュールとして提供できるようになりました。
 Lepton XDSは、可視カメラ、実績あるマイクロサーマルセンサー、オンボードのPrism ISP処理、さらにスポットメーターや関心領域を含むラジオメトリックオーバーレイへの直接アクセスを組み合わせたモジュールです。これにより、OEMの製品開発を加速し、ユーザーがより迅速に解釈できる明瞭な熱画像を提供します。

 この製品は、Leptonのコンパクトさを維持しながら、重量、消費電力を意識したSWaPに最適化した設計で、USB出力を標準搭載。電力制約のあるバッテリー駆動機器や常時監視用途などへの組み込みに適している。また、ITAR非該当であり、ECCN 6A993.aに分類されているため、商用用途としてグローバル展開が可能だ。

【アプリケーション例】

  • 火災検知・予防システム
  • EVバッテリー監視
  • ロボット・無人プラットフォームのナビゲーション
  • スマートインフラ監視
  • 産業機器の安全・状態監視
Lepton XDS(Teledyne FLIR YouTubeチャンネル)

 コーンズテクノロジーは、国内代理店としてLepton XDSの販売を開始するとともに、量産を見据えた包括的な技術サポートを提供する。

  • 日本国内での技術問い合わせ対応
  • 組み込み設計段階からの技術支援
  • 量産移行時の品質・供給サポート
  • アプリケーションに応じた最適化提案