三菱地所と兼松、SkyDriveの3社は、2025年6月に採択された東京都の補助事業「空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築に関するプロジェクト」の一環として、2026年2月24日から2月28日までの5日間、東京ビッグサイト東棟屋外臨時駐車場において、実運用を想定した空飛ぶクルマの飛行実証を実施した。

写真:飛行する空飛ぶクルマ
デモフライトの様子

 この実証では、空飛ぶクルマの社会実装を見据え、運用上の課題を抽出することを目的に、空飛ぶクルマの飛行とVertiport Automation System(以下、VAS)(※1)を活用した旅客ターミナルのオペレーションを実証した。

 ターミナル実証では、顔認証によるチェックインや保安検査など、搭乗前に必要となる各種手続きを検証するための体験モニターを一般募集し、旅客ターミナル運用の実効性を確認した。ここから得たフィードバックをもとに、利便性や運用面での課題整理を行い、社会実装に向けた検討に活用する。飛行実証では、国産機体を使用した遠隔操縦によるデモフライトを実施した。

※1 空飛ぶクルマの離着陸場の運用を自動化・最適化するシステム。離着陸場の空き状況管理や周辺空域の監視などの運航支援、地上設備をはじめとしたリソースのデジタル管理、チェックインや顧客管理をシームレスに行う顧客体験に必要な機材を配置することで、空飛ぶクルマの安全な高頻度運航を支援する。

写真:顔認証を行う様子
ターミナル実証の様子

 実証期間中は、次世代の移動手段に対する理解促進や社会受容性向上のため、一般客も参加できる見学会を同時開催した。関係者を含め1,500人超が来場し、空飛ぶクルマの離着陸や飛行の様子、ターミナルなどの運航管理施設を間近で見学した。

 3社は今後も空飛ぶモビリティの社会実装およびサービス化に向けて検討を進める方針だ。

写真:飛行する空飛ぶクルマとその様子を見守る人々
2月24日メディアデーの様子
写真:空飛ぶクルマと関係者や副知事
関係者および副知事訪問の様子
実証の様子(SkyDrive作成)

実証内容

空飛ぶクルマの旅客ターミナル運用の検証(ターミナル実証)

 海外で空飛ぶクルマの離着陸場の設置・運用事業を展開する英Skyports社の協力のもと、VASを備えた旅客ターミナルを新たに整備。顔認証チェックインや保安検査、安全ビデオ視聴、搭乗ゲート等を一般モニターが利用体験した。体験者のフィードバックを集計し、今後のサービス・運用改善に活用する。

写真:ターミナル外観
ターミナル外観

【ターミナル概要】

 トレーラーハウスを活用した可動産式ターミナル。

  • ギャラリーエリア
     空飛ぶクルマに関する展示を配置し、情報を提供する。
  • デッキエリア
     展望スペースの設置により、搭乗客の期待感を高める。
  • 保安検査エリア
     顔認証システムによる自動チェックイン、保安検査等により、シンプルでスムーズな搭乗受付を実施。
  • ラウンジエリア
     待合スペースやディスプレイを通じた空飛ぶクルマの運航状況や各種情報提供により、搭乗客に快適な待ち時間を提供する。
  • オペレーションルーム
     離着陸場の着陸エリア・駐機スポット、設備等の空き状況、周辺空域(天候、周辺を飛行する航空機)の監視等による運航支援 、チェックイン等の搭乗客の状況を一元的にシステム管理することで、離着陸場の安全で効率的な運用を支える。
ターミナル間取り図
延床面積約54m²(トレーラーハウス17.06m²×2基+デッキスペース約20m²)
設計三菱地所設計
施工YADOKARI

デモフライト、空域監視システムの検証等を通じた空飛ぶクルマ運用の実証(飛行実証)

 SkyDriveが開発する空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」を用いたデモフライトでは、自動制御・リモート操縦を想定した無人飛行の運用を実施するとともに、その運航情報を空域監視システム(※2)に取り込んで飛行経路を可視化する等のデモンストレーションを行った。

※2 飛行する空域において、周辺を飛行する他の機体(飛行機やヘリなども含む)の飛行状況を監視するシステム。

【デモフライト概要】

  • 2026年2月24日(火)第1フライト
使用機体SkyDrive式SD-05型
飛行距離150m
飛行時間約3分30秒
飛行速度4m/s
飛行高度13m

【SkyDrive式SD-05型・仕様】

  • 3人乗り(パイロット1人、乗客2人)
  • 約11.5m×約11.3m×約3m(ローター含む)
  • 最大離陸重量:1,400kg
  • 駆動方式:12基のモーター、ローター
  • 燃料:バッテリー(電動)
  • 素材:複合材やアルミ合金など
  • 最高速度:100km/h(対気速度)
  • 航続距離:15~40km
写真:飛行する空飛ぶクルマ

各社役割

三菱地所・全体統括
・運航与件、ポート与件を踏まえ、都市の街やビルなどへの実装検討
・ターミナルの整備
兼松・海外での規制、技術動向を踏まえたポート与件などの情報提供、与件整理
・ポート運営に関する検討、情報提供
・VASを活用したターミナル運用実証
※業務提携先の英Skyports社からの協力を得て実施
SkyDrive・運航実証の実施
・運航事業目線でのポート与件整理
・航空管制、運航に関連する検討、調整
・ビジネスモデルの検討

※画像提供:SkyDrive