千葉県富津市とKDDI、ローソンは、2026年2月24日、相互の連携強化を図ることで富津市の防災活動および災害対処活動を推進することを目的とした協定を締結した。今後3者は協定に基づき、市民の防災意識向上や災害時の地域支援、衛星通信・ドローンなどの技術・知見を活用した防災DXの実現に取り組む。

 この協定に基づき、ローソンとKDDIは、南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備え、平時は買い物拠点、災害時は地域支援の拠点となる「災害支援ローソン」の1号店として「ローソン富津湊店」を同日リニューアルオープンした。災害発生時には、災害情報の受発信や水・食料の供給、通信・電力の確保などの機能で地域支援を行うほか、通信復旧活動の拠点としての役割を担う。両社は2030年度までに、全国に100店舗設置することを目指している。

写真:ローソン富津湊店
ローソン富津湊店
災害支援ローソン店頭掲出プレート
災害支援ローソン店頭掲出プレートイメージ

店舗概要

店舗名ローソン富津湊店(千葉県富津市湊1238-1)
リニューアルオープン日2026年2月24日
営業時間24時間
面積店舗面積:160.86m²、売場面積:103.62m²

「災害支援ローソン」とは

 災害発生時、被災者への支援を目的に、電力ならびに通信・情報収集手段の確保、断水に備えた飲料水、災害時トイレなどの特別な機能を備えた店舗。

設置基準

  • 南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域、南海トラフ地震防災対策推進地域、または同等の災害に見舞われる可能性がある地域
  • ハザード基準(ローソン自社基準)
  • 店舗の立地(海岸または河川までの距離や海抜など)
  • 店舗の敷地面積

通信復旧活動の拠点化

 災害時の基地局復旧などに携わるKDDIの通信復旧チームが、災害支援ローソンを現地の活動拠点として活用する。災害支援車両用の活動スペースとしての利用のほか、復旧資材倉庫や発電機の設置も予定している。これにより店舗を中心とした復旧オペレーションの遂行が可能になり、地域全体の通信インフラの復旧迅速化につなげる。

主な特長

  • 災害情報の受発信
     災害時には情報の入手が困難になることから、店内の利用客に向けてデジタルサイネージを活用して災害状況の情報を発信する。また、店舗従業員が勤務中で災害の発生に気づかないことを防ぐため、ストアコンピューターや業務用タブレット端末に向けて災害発生の緊急情報を発信し、利用客への避難指示などを迅速に行う。さらに自治体と連携し、ドローンによる地域住民への避難の呼び掛けや、災害発生時の被災状況の確認などの実施を検討していく。
  • 水・食料の供給
     この店舗では平時からローリングストックの一環として、備蓄用倉庫に1,500リットル以上の飲料水を確保しており、災害時の供給を計画している。また、おにぎりや弁当などの製造工場の被災や道路寸断などで店舗への商品配送ができなくなった場合にも利用客に食品を販売できるように、店内の厨房を活用した災害時専用メニューのおにぎりを作成する。さらに、断水に備え、敷地内の井戸から手動ポンプで水を汲み上げることで生活用水(飲用不可)を提供する。
  • 通信・電力の確保
     店舗に設置した衛星通信サービス「Starlink」を活用したフリーWi-Fiをすべての利用客に開放し、固定・モバイル回線が途絶した状況でもデータ通信ができる環境を確保する。また、バッテリーチャージャーを店舗に設置し、通信端末の充電環境を提供する。店舗継続と通信維持のため、停電時には社用車(電動車)からの電力供給や、店舗に備えた太陽光パネルと蓄電池を活用する。加えて、Starlinkをバックホール回線として活用する小型の携帯電話基地局「auフェムトセル」を店舗内に設置。通常のau回線が被災しても音声・データ通信が利用できるため、警察・消防への緊急通報のほか、店舗と本部との連絡など、通信手段を確保する。
  • その他
     断水時にもトイレを利用できるよう排泄物を凝固する災害時用の緊急トイレを設置し、従業員のほか被災者にも提供する。

導入機能

【災害情報の受発信】

  • デジタルサイネージ
    店内のデジタルサイネージを活用し、利用客へ災害情報を発信する。
  • 従業員向け緊急情報発信
    勤務中の従業員向けにストアコンピューター、業務用タブレット端末へ津波警報発表に関する緊急情報を発信する。
  • ドローン
    自治体と連携し、ドローンによる地域住民への避難の呼び掛けや災害発生時の被災状況を確認する(常設時期は未定)。
(左から)デジタルサイネージ、従業員向けの緊急情報発信、ドローン

【水・食料の供給】

  • 備蓄用倉庫
    1,500リットル以上の飲料水をローリングストック。
  • 災害時用おにぎり
    有事の際にも食品を提供できるよう店内の厨房を活用した災害時専用メニューのおにぎり。水と米があれば作成が可能。
  • 井戸水
    手動ポンプにより水を汲み上げ、生活用水(飲用不可)として提供する。
(左から)備蓄用倉庫、災害時用おにぎり、井戸

【通信・電力の確保】

  • Starlink
    地域住民へのフリーWi-Fiの提供。
  • auフェムトセル
    従業員と本部をつなぐ緊急時の連絡手段や被災した住民への緊急時の連絡手段の提供。
  • 電源車
    店舗を拠点として通信復旧活動を実施。
(左から)Starlink、auフェムトセル、電源車
  • バッテリーチャージャー
    被災住民がスマートフォンなどの充電ができるバッテリーチャージャーを設置。
  • 太陽光発電
    建物屋根上に太陽光パネルを設置して発電。発電した全量を店舗の消費電力に充当する。
  • 業務用蓄電池
    大容量の蓄電池を備え、太陽光や通常電源から平時に蓄電を行い、大規模停電時に店舗運営に最低限必要な電力および通信手段に必要な電力を確保する。
(左から)バッテリーチャージャー、太陽光発電、業務用蓄電池
  • 社用車(アクセサリーコンセント)からの給電
    給電により蓄電池を補完する電力を確保し、POSレジの稼働や災害時おにぎり作成などを実施。
社用車

【その他】

  • 災害時用トイレの常備
    断水時のトイレ問題を解決するため、凝固剤を使用した使い捨ての災害時用トイレを店舗に常備する。
災害時用トイレ

※KDDIによる導入