2026年1月26日、KOBEモビリティフィールド協議会(以下、KMFC)は、国土交通省の2025年度「ドローンを活用した災害物資輸送に関する調査等事業」の採択事業として、災害時における支援物資輸送体制の強化を目的とした複合型物資輸送訓練を実施したと発表した。

写真:海上の船

 南海トラフ地震や高潮災害等が発生した場合、海上からの支援物資輸送が滞り、被災地への迅速な物資供給が困難になることが懸念されている。阪神・淡路大震災では神戸港が甚大な被害を受け、船舶による物資輸送が途絶したという教訓がある。

 訓練では、災害時に船舶が着岸できない状況を想定し、停泊中の船舶からドローンを用いて陸上拠点へ物資を輸送した。また、陸路が遮断された状況を想定し、物資集積所から避難所までドローンによる物資輸送を行うことで、海上輸送・陸上輸送・ドローン輸送を組み合わせた新たな支援物資輸送モデルの実効性を検証した。

 船上訓練では、災害時に港湾施設が被災し船舶が着岸できない状況を想定し、停泊中の船舶に積載した支援物資をドローンで陸上へ輸送し、神戸港内の指定された集積地点へ集約。これにより、船舶とドローンが連携した物資集積手法の有効性や運用上の課題、安全性を検証した。実施日は2026年1月22日・23日。

 里山訓練は、災害時の避難所や支援物資の集積拠点となる里山で実施。地震や豪雨等により周辺道路が分断され、車両による物資搬送が困難となった状況を想定し、ドローンを活用して物資集積所から避難所へ物資を輸送した。陸路に依存しない物資輸送手段の有効性と運用上の課題を検証した。実施日は2026年1月28日、2月4日。

物資の集積地点から輸送地点までのドローンの飛行ルート

 この事業には、兵機海運、日本コンピューターネット、TOA、ソフトバンク、尾道工業、中村工業が参画。神戸市公園緑化協会は物資集積所および避難所を提供し、陸地訓練を先導する役割を担った。

 官民学が連携し、防災分野を中心にドローンの社会実装を推進してきたKMFCは、TOA製スピーカーを搭載したドローンを活用した防災訓練への参加や、神戸市・TOA・日本コンピューターネットとの防災協定締結など、実践的な取り組みを進めている。また、大学や民間企業と連携し、防災だけでなく教育分野におけるドローン活用にも取り組んでいる。

 同協議会は、この訓練で得た知見をもとに、災害時における実効性の高い支援物資輸送体制の構築を目指すとしている。