2025年8月21日、SkyDriveは、インドネシアのヘリコプター運航会社であるPT Whitesky Aviation(以下、Whitesky)と、インドネシアでの空飛ぶクルマ事業化に向けた検討を行うことを目的に業務提携契約を締結したと発表した。またWhiteskyは、SkyDriveの空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」の最大30機のプレオーダーに合意した。

 空飛ぶクルマを活用し、スカルノハッタ国際空港に隣接するWhitesky所有のチェンカレンヘリポートを起点としたエアタクシーや、インドネシアの主要産業である鉱業分野でのユースケース開拓に取り組む。

写真:MOU Partnership Signing、横並びで正面を向く4人
(左から)Whitesky Group CFO Luthano Harry Budyanto氏、Whitesky Group CEO Denon Prawiraatmadja氏、SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩氏、SkyDrive 渉外統括ディレクター・インドネシア事業責任者 大木泰樹氏。(HELI EXPO ASIA 2025)

 SkyDriveは空飛ぶクルマの事業化を目指し、日本、米国、アジア、中東での市場開拓・ユースケース開発を進めている。インドネシアでヘリコプターを中心としたチャーター便事業を行うWhiteskyは、ジャカルタなど都市部を結ぶヘリ輸送や、市内遊覧サービス、貨物輸送や医療搬送、鉱山での支援輸送を行っており、空飛ぶクルマをインドネシアの航空業界で運用する基盤を持つ。

 両社は、2028年度までにジャカルタ市中心部での遊覧サービスの運航開始を想定している。拡張性のある運航体制を整えるため、Whiteskyは、インドネシアの複雑な地理的・産業的条件に適したハブ・アンド・スポーク方式のインフラ整備を行う。このインフラ整備により、空飛ぶクルマの拡張性のある運航が全国規模で可能になり、インドネシアでの次世代エアモビリティの土台を築く。

 コンパクトでCO2を排出しない空飛ぶクルマの活用により、深刻化する都市部での渋滞緩和や、主要産業である鉱業における環境負荷の軽減・発展への貢献が期待される。

 今後、SkyDriveは、WhiteskyとSKYDRIVEの正式売買契約締結に向けて議論を進めるとしている。

インドネシア・ジャカルタ市における空飛ぶクルマ運航イメージ

各社コメント

SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩氏

 このたび、インドネシア最大級のヘリコプター運航会社であるWhitesky社と提携できることを大変嬉しく思います。
 インドネシアでは首都ジャカルタをはじめ、都市部で深刻な渋滞が課題となっており、空飛ぶクルマがその解決策として強く期待されています。Whitesky社は、長年の安全な運航実績を元に、スカルノハッタ国際空港隣接のヘリポートで唯一ヘリタクシーの許可を取得し、既に実運航を通じて課題解決に取り組み始めており、我々にとって最良のパートナーであると確信しています。

 また、鉱山での活用においても、空飛ぶクルマはヘリコプターや自動車に代わる手段として幅広い用途が見込まれ、CO₂排出削減への貢献も期待されています。

 今後は2社でビジネスモデルの具体化に向け、さらなる検討と準備を進めるとともに、インドネシアでの持続可能で長期的な事業基盤の構築を目指してまいります。

PT Whitesky Aviation 最高商務責任者 Ari Nurwanda氏

 次世代モビリティの未来は、都市と産業の両方で活用されることで開かれると、私たちは信じています。今回のSkyDriveとの戦略的提携は、このビジョンをインドネシアで実現するための極めて重要な一歩です。

 弊社の運航における専門性とSkyDriveの空飛ぶクルマの最先端技術を合わせることで、インドネシアに、新たな交通手段を導入するだけでなく、全国の島々を結ぶ新しい移動の時代を創造していきます。都市部の渋滞緩和から、遠隔地での持続可能な物流の実現まで、本提携はイノベーション、環境への責任、そして航空分野における包括的な進歩に対する、私たちの強い決意を示すものです。