2025年5月19日、経済産業省と情報処理推進機構デジタルアーキテクチャ・デザインセンター(以下、IPA DADC)は、運航事業者および航空当局等が規格に適合したドローン航路を認知・判別するため、民間事業者が公益的に整備・運用するドローン航路を登録するための仕組みである「ドローン航路登録制度」の2026年度開始等に向けたロードマップを策定した。また、制度の開始に向け、ドローン航路登録制度の試験的運用・検証を実施する。あわせて、政府内で連携した各種インセンティブのひも付けを検討する。

 人口減少が進む中でもデジタルによる恩恵を全国に行き渡らせるため、自動運転やドローン物流等のデジタル技術を活用したサービスについて、「実証から実装へ」「点から線や面へ」の移行を加速する必要がある。

 関係省庁は既存の取り組みを踏まえながら、デジタルを活用したサービス提供に必要なハード・ソフト・ルールといったデジタルライフラインのアーキテクチャや仕様の具体化、自治体や運営主体を含む官民の役割分担、長期にわたり全国規模で講じる取り組み等を定めるため、2024年6月に「デジタルライフライン全国総合整備計画」を決定した。

ドローン航路ロードマップの策定

 ドローン航路とは、ドローンが飛行する立入管理措置がなされた範囲をもとに、地上および上空の制約要因に基づいて立体的に最外縁が画定された空間において、航路運航支援・航路リソース共有を実現するもの。従来、ドローン運航事業者がドローンを運航する際には、地域の関係者との調整・周知や飛行経路のリスク評価など煩雑な手続きを個別に行う必要があった。ドローン運航事業者に代わって航路運営者がリスクアセスメントや地域関係者との調整・周知等を協調領域として集約することで、ドローン運航事業者の時間とコストを大幅に削減する効果が見込まれる。

 ドローン航路の全国展開に向け、経済産業省とIPA DADCは、2025年5月15日に開催された第2回ドローン航路普及戦略ワーキンググループを踏まえ、ドローン航路ロードマップを策定した。ドローン航路の全国展開は、「デジタルライフライン全国総合整備計画」に基づき、ロードマップに示した社会実装、技術開発、環境整備それぞれのマイルストーンに基づき推進される。

ドローン航路ロードマップ

▼ドローン航路ロードマップ
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/digital_architecture/drone2/siryou7roadmap.pdf

ドローン航路登録制度の概要

 運航事業者および航空当局等が規格に適合したドローン航路を認知・判別するためには、民間事業者が公益的に整備・運用するドローン航路を登録する仕組みが必要となる。

 経済産業省は、ガイドラインおよび仕様・規格に適合したドローン航路を認証のうえ登録し、関係者等に広く周知することで相互運用性を確保する「ドローン航路登録制度」を2026年度に開始することを目指している。

 制度の開始に先立ち、2025年度は、ドローン航路登録制度の試験的運用・検証を実施する。また、政府内で連携した各種インセンティブ(ドローン航路を活用した飛行の許可・承認申請のための事前作業簡略化、政府による支援の際の要件化の検討等)のひも付けを検討する。

ドローン航路登録制度の概要(ドローン航路の登録などの在り方、ドローン航路登録制度のイメージ)
ドローン航路登録制度の概要

▼ドローン航路登録制度の概要
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/digital_architecture/drone2/siryou2jimukyokusiryou.pdf