2025年2月26日、メトロウェザーと古河電気工業(以下、古河電工)は、戦略的事業パートナーとして、メトロウェザーへの資本参画を軸とする資本業務提携について合意したことを発表した。

 メトロウェザーが手掛けるドップラー・ライダーの国産化に向けた取り組みや、ドップラー・ライダーの量産化実現へ向けた協業を推進する。

古河電工とメトロウェザーのロゴ

 メトロウェザーは、高精度なリアルタイム風況観測を行うドップラー・ライダーを研究開発しており、現在、アメリカ航空宇宙局(NASA)や防衛省、商船三井グループ、ヤンマーグループ等との事業開発をグローバルに推進している。社会実装に向け、小型高性能化を図るドップラー・ライダーの研究開発においてコアコンポーネントとなる国産高性能レーザーを安定供給でき、将来的な需要拡大に対応するための製造から品質管理・保守メンテナンスに精通した量産パートナー候補の選定を行ってきた。

 古河電工は、コア技術のひとつであるフォトニクス技術を活用し、ドップラー・ライダーのコアコンポーネントの開発を行い、同製品の国産化に貢献する。同社のノウハウや知見の提供に加え、設備利用といった支援によりドップラー・ライダーの量産体制の構築を推進する。

 この協働を通じ、小型高性能ドップラー・ライダーで観測する風況情報や、研究開発中の新技術である物体検知情報を活用した幅広い分野での事業創出を目指す。

メトロウェザー「ドップラー・ライダー」

写真:「ドップラー・ライダー」外観

 メトロウェザーのリモートセンシング技術と独自の信号解析技術により、他社製の大型ドップラー・ライダー(重量:2トン、サイズ:約2m四方、観測距離:半径約20km)と同等水準を満たしながら小型化を実現。

 赤外線レーザーを大気中の微細なちりに照射し、ちりの動きによってわずかに変化する光の周波数を解析(ドップラー効果)することで、高精度な風速と風向を計測する。

 ドップラー・ライダーの技術を活用した物体検知の研究開発も行っており、レーダーで捕捉できない、不規則に低高度を飛行するドローンなどの無人航空機をレーザーで探知する。ドップラー・ライダーで使用している赤外線レーザーは、直接目視できないうえに指向性が高く、被探知側から逆探知されにくい特長がある。

重量180kg
サイズ60×74×106cm
観測距離最大半径15km

※現行機のスペック。現在研究開発中のドップラー・ライダーは、より小型・高性能化を目指している。

図:ドップラー・ライダーの仕組み

 同製品の研究開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)/航空安全等に資する小型無人機の飛行経路の風況観測技術」「ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)PCAフェーズ(実用化研究開発(後期))『小型低価格ドップラーライダーと量産に向けた精度検証手法の開発』」の採択を受けている。