Oceanic Constellations(以下、オーシャニック・コンステレーションズ)は、日本郵船グループの京浜ドックと、デジタルエンジニアリング導入を見据えた小型水上ドローン船(USV)の量産体制構築を目的として、2025年10月17日に共同実証契約を締結した。

写真:握手を交わす2人
左:京浜ドック代表取締役社長 中村利氏、右:Oceanic Constellations共同代表取締役 本田拓馬氏
プロジェクトメンバーの集合写真

 オーシャニック・コンステレーションズは、多数のUSVを海洋上に展開し、センサー・通信ネットワークを構築することで24時間365日の常時海洋モニタリングを可能とするUSVコンステレーションプログラム「海の衛星群」の開発を進めている。コンステレーションとは、宇宙空間における小型衛星群の連携によるセンサー・通信ネットワークの総称であり、海の衛星群は、宇宙産業の無人機構想を海洋産業に適用する構想である。

 今回の契約では、海の衛星群を実現するため、USVの量産体制構築に向けた共同実証の推進について京浜ドックと合意した。京浜ドックが有する造船・修繕技術と、オーシャニック・コンステレーションズの造船業DXの知見や海洋デジタルツイン技術等のデジタルエンジニアリングを活用し、USV量産体制構築を目指す。

 この取り組みにより、密漁や密輸、防災、海洋資源、保安等、日本の海洋環境に関するさまざまな課題の解決に貢献するとしている。

各社コメント

京浜ドック代表取締役社長 中村利氏

 当社は株式会社Oceanic Constellations社の、日本国の海洋環境に関する様々な社会課題の解決を目指す使命感に深く共鳴しました。当社は経営理念として「コトづくり、モノづくり、ヒトづくり。社会のため、お客様のため、働く仲間のため」を掲げております。本プロジェクトはパートナーとの共創を通して社会課題を解決するという「コトづくり」の理念に完全に一致しています。今回の業務提携では弊社が長年培ってきた経験工学に基づく造船技術や造船業のDX(Digital Transformation)/EX(Energy Transformation)に関わる知見を提供することで、USVの社会実装に向けての共同実証実験を加速的に進めて行きたいと考えております。

Oceanic Constellations 共同代表取締役 本田拓馬氏

 今年6月5日に発表させていただいた日本郵船様との「洋上回収型再使用ロケットの実現に向けた協業覚書締結」をきっかけにご縁をいただき、また、当社が掲げる「本邦海洋環境に関する命題解決」に共感いただいたことで、今回の提携が実現したことを大変うれしく思います。京浜ドック様が長年培われてきた造船技術と、当社の無人機統合開発技術を掛け合わせ、USVコンステレーションという日本初の新たな産業創出の実現にむけ、挑戦していきます。応援の程よろしくお願い申し上げます。