2025年8月7日、新勝浦市漁業協同組合と千葉県勝浦市、東急不動産、東急リゾーツ&ステイは、関係機関とともに「勝浦市藻場保全対策協議会」を設置し、藻場保全活動を開始したことを発表した。

写真:海の景色

 千葉県勝浦市は、暖流と寒流の潮境に位置し、沿岸でも水深が深く海藻が根付いた岩礁が多いことから、多種多様な海洋生物が存在している。また、海風の影響により、陸地は夏涼しく冬は暖かい気候の地域で、観測開始以来、猛暑日を記録したことはない。こうした気候や透明度の高い海を背景に、漁業や430年以上続く朝市文化、南房総国定公園の指定、勝浦海中公園や千葉県立中央博物館分館海の博物館といった海を対象にした施設を有するなど、「海」を主軸に発展してきた。

 しかし、昨今の地球温暖化による海水温の上昇や海水温上昇に伴う植食性魚類の増加により、良質な藻場が減少する磯焼けの深刻化が問題となっている。勝浦市における藻場の保全・再生および創出を図るため、2025年5月に協議会を設置した。

 東急不動産と東急リゾーツ&ステイは、千葉県勝浦市においてホテル、ゴルフ場、別荘地を含む複合リゾートタウンである「東急リゾートタウン勝浦」を開発・運営している。また、東急不動産ホールディングスグループでは、環境経営を全社方針としており、「脱炭素社会」「循環型社会」「生物多様性」を重点課題と設定し、事業を通した取り組みを進めてきた。東急不動産の今回の藻場保全対策協議会への参画は、これまでの“森”の取り組みに加え、“海”の保全という新たな領域への取り組みとなる。

「藻場保全対策協議会」概要

【協議会構成メンバー】

  • 勝浦漁業協同組合
  • 新勝浦市漁業協同組合
  • 新勝浦市漁協浜行川藻場保全グループ
  • 藻場保全に取り組む民間事業者(東急不動産)
  • 千葉県立中央博物館分館海の博物館
  • 千葉県水産総合研究センター
  • 千葉県勝浦水産事務所
  • 勝浦市

【協議会の役割】

  • 藻場の維持・回復
  • 植食性魚類の捕獲等
  • 海洋環境の把握
  • ブルーカーボンのクレジット認証
  • その他、藻場保全事業全般

【藻場保全活動内容】

2025年6月浜行川海域・興津海域の藻場現状把握のための調査を実施。(水中ドローンによる、藻場全体の位置・面積、海藻の種類・密度の概要の把握/植食性魚類の駆除を行う活動区、駆除を行わない対照区の位置・面積を決定/活動区・対照区の藻場面積・海藻密度を測定)
2025年7月植食性魚類の駆除活動を実施。(浜行川海域・興津海域にて設定した活動区で実施)
2025年8月駆除活動後の活動区・対照区の藻場面積・海藻密度を測定予定。
2025年9月Jブルークレジット申請予定。
2025年10月以降植食性魚類の駆除活動継続、藻場の新規造成取り組み検討予定。
2026年以降藻場の新規造成取り組み開始予定。
写真:水中ドローンが藻場を調査する様子
藻場調査イメージ
写真:水中ドローンが撮影した藻場の海藻
写真:水中ドローンが撮影した藻場の海藻
写真:水中ドローンが撮影した藻場の海藻
藻場調査イメージ

イベントでのPR活動

 この取り組みをPRするため、東急リゾートタウン勝浦で実施するイベント内で、藻場保全活動の紹介とともに、駆除した植食性魚類を活用したハンバーガーを提供する。植食性魚類(未利用魚)を食することで、勝浦の藻場保全にも貢献できる。

開催日時2025年9月20日(土)
開催場所勝浦東急サニーパーク ふれあい広場(千葉県勝浦市鵜原2210-64)
参加方法申し込み不要
コンテンツ・藻場保全活動のパネル展示
・勝浦ブルーバーガー(植食性魚類を活用したフィッシュバーガー)の提供
・ポリネシアン&ファイヤーパフォーマンス(同日開催:夕涼みシアターイベント)
・外房チアリーディングクラブによるパフォーマンスショー(同日開催:夕涼みシアターイベント)
・キッズ向けプレーパーク(同日開催)
写真:勝浦ブルーバーガー(植食性魚類を活用したフィッシュバーガー)
写真:勝浦ブルーバーガー(植食性魚類を活用したフィッシュバーガー)