長野県上松町、大桑村、南木曽町、長野県木曽地域振興局、木曽広域連合、エアロネクスト、NEXT DELIVERYは、2025年1月28日、3町村において「木曽郡における災害時対応を想定したドローン配送お披露目フライト」を実施した。
木曽郡では、郡内でのドローン活用、災害時の迅速な支援につながる取り組みとして、木曽町、上松町、南木曽町、木祖村、王滝村、大桑村、長野県、木曽広域連合、エアロネクスト、NEXT DELIVERYが共同し、郡内6町村を対象に、ドローンインフラ整備(ドローン配送ルート・離着陸座標設定)を進めている。
今回のフライトは、その一環として大規模災害への備えに向けて実施したもので、上松町、大桑村、南木曽町の災害時に孤立集落となり得る地域に災害支援物資を配送した。
実証実験 概要
木曽郡は長野県の南西部に位置し、木曽川を中心に豊かな森林や山々に囲まれた自然環境が広がっている。自然災害のリスクが高く、大雨や土砂災害、地震による道路寸断など、有事の際には集落が孤立する可能性があり、特に中山間地域はアクセスが制限される場合が多く、緊急時の物資輸送や医療支援が大きな課題となっている。地域住民の高齢化が進む中、災害発生時の迅速な支援体制の構築や、孤立集落の発生を防ぐための新たな取り組みとして、ドローン技術の活用が注目されている。
そこで木曽郡では、災害発生時に孤立地域へ迅速に物資を届ける仕組みとして、ドローンを活用した防災インフラの構築を実施した。
実施内容
災害時を想定した物資輸送の実証実験として、災害時に孤立集落となり得る地点に向けたドローン配送のデモフライト(3ルート)を実施した。
【上松町ルート】 (よろまいか駐車場→台生活改善センター)
上松町で孤立が想定される台生活改善センターに向けて災害物資輸送を想定したドローン配送を実施。飛行距離約4.6kmを約12分かけて配送。
【大桑村ルート】 (大桑村役場駐車場→野尻向分館)
大桑村で孤立が想定される野尻向分館に向けて、災害物資輸送を想定したドローン配送を実施。飛行距離約4.1kmを約10分かけて配送。
【南木曽町ルート】 (渡島総合グラウンド→大野正兼集会所)
南木曽町で孤立が想定される大野正兼集会所に向けて、災害物資輸送を想定したドローン配送を実施。飛行距離約6.1kmを約15分かけて配送。
機体は、エアロネクストがACSLと共同開発した物流専用ドローン「AirTruck」を使用。上松町では、よろまいか駐車場から台生活改善センターまでの片道約4.6km(約12分)を、災害支援物資を搭載してドローン配送した。
今後、災害時対応用ドローン配送ルートの構築、座標設定を拡大していき、ドローン配送用のインフラ整備・構築を進める方針だ。