エアロジーラボは、2024年9月21日に能登地方で発生した豪雨災害に対し、日本UAS産業振興協議会(JUIDA)から緊急要請を受け、現地での対応を行った。同社開発のエンジンハイブリッド型ドローンを活用し、被災地での物資輸送および空撮のオペレーションを実施した。特に、災害現場において自衛隊と連携をとりながら、複数のミッションを通じて復旧支援活動に貢献した。

災害対応の詳細

【1日目】9月26日:飛行リハーサルと孤立集落への物資輸送準備

 初日は他社と連携し、孤立集落への物資輸送を目的とした飛行リハーサルを実施。災害状況に応じた迅速かつ正確な物資輸送を行うための準備を進めた。

【2日目】9月27日:通行不能区域の空撮(1)

 当初計画していた物資輸送は、孤立者が避難したことで不要となった。そのため急遽ミッションを変更し、通行不能となった道路やインフラの状況を把握するための空撮活動を実施。エアロジーラボのドローンを活用し、地上からのアクセスが困難なエリアの状況を上空から捉え、災害復旧活動に必要なデータを提供した。一方、飛行時に必要な通信の安定確保が課題となり、一部ミッションの遂行が難しくなる要因となった。

【3日目】9月28日:通行不能区域の空撮(2)

 2日目とは異なる被災エリアに対して追加の空撮を計画し準備を進めたが、悪天候や地形条件により該当箇所へのアクセスが非常に困難であったことや、不安定な通信状況が影響し、ミッションは途中で中止となった。

写真:飛行するドローン
ドローンが飛行する様子
写真:地図を囲んで4人が打ち合わせをする様子
ミッションに関する打ち合わせ
写真:木が道を塞いで通行できない様子
飛行場所周辺の様子

 エアロジーラボのハイブリッド型ドローンは、電力供給が不安定な状況でもガソリンを給油することで安定的で継続的に飛行が可能。長距離飛行や長時間の運用で、災害発生時の広範囲にわたる支援活動をより迅速かつ効率的に行うことができる。一方、今回の災害対応では飛行エリアの通信環境の課題が一部ミッションの支障となった。こうした課題への対応として同社はローカル通信網の確立方法を検討しており、同分野の技術を持つ企業との協力を検討している。