2024年8月23日、NIPPON EXPRESSホールディングスは、NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合の案件として、非SLAM(※1)でドローンの屋内自律航行が可能な制御システムを提供するSpiralに出資を行った。

 Spiralは今回のプレシリーズAラウンドの資金調達において、NIPPON EXPRESSホールディングス、三菱UFJキャピタルなどを引受先として3億円を調達し、累計調達額は5.3億円となった。

※1 SLAM:自分が地図上にどこにいるかの推定(自己位置推定)と周囲環境の把握(環境地図作成)を同時に行う技術。

SpiralとNIPPON EXPRESSのロゴマーク

 Spiralは、屋内に特化したドローン自律飛行システム「MarkFlex Air」を開発するスタートアップ企業。一般的なドローンは、GPSやセンサーなどを使い、事前に作成した施設内のマップを参照しながら航行するが、同社の技術を搭載したドローンは専用ソフトで経路を入力し、壁に貼られたQRコードを認識することで電波の届かない場所でも航行が可能となる。

 トンネル工事現場やダム検査廊の定期点検等への同技術の活用に取り組んでおり、現在はトンネル建設の市場規模が大きい欧州をターゲットとし、2024年中にオーストリア・ウィーンに現地法人を設立する予定だ。

 NXグループは今回の出資により、2024年1月に子会社化したオーストリア・ウィーンに本拠地を置くcargo-partnerとNXグループ各社が連携し、ドローン関連機材の輸配送や現地での保管等Spiralの海外進出をサポートするとともに、物流現場でのドローン活用を推進する。またSpiralを通じて欧州の建設、建機業界とのタッチポイントを増やし、新たなロジスティクスソリューションの開発やニーズの発掘に取り組むとしている。