2024年8月7日、埼玉県は、ドローンによる上空1000mの光化学スモッグ原因調査を実施すると発表した。
埼玉県環境科学国際センターでは、これまでドローンを用いて上空の大気を調査し、地上よりも高濃度のオゾンがあることを明らかにした。オゾンは光化学スモッグの原因物質となるもので、同県は光化学スモッグ注意報の発令日数が全国で最も多い地域である。
また、オゾンを生じる原因である揮発性有機化合物(VOC)を高度300mで採取し、成分を詳しく調べた結果、高度の違いによる濃度差が成分によって異なることを把握した。
2024年は、高度1000mのVOC成分とオゾン濃度を調べ、これらが高さ方向にどのように存在するのかを確認する。取得したデータは、オゾンがどのように生成され、消失するかを理解する上で重要な情報となり、光化学スモッグ注意報発令の予測精度の向上や対策に生かすことができる。
光化学スモッグは、窒素酸化物(NOx)とVOCが、太陽光で光化学反応を起こしてできる光化学オキシダント(主にオゾン)の濃度が高まることで発生する。春から夏にかけて、晴れて日差しが強く気温も高く、風が弱い日に発生しやすい。光化学スモッグが発生すると息苦しくなったり、目に刺激を感じたりする。また、遠くの景色がもやがかかったように見えにくくなる。