2024年6月28日、KDDIスマートドローンとプロドローン、國森は、内閣府から「自律型無人探査機(AUV)利用実証事業」に採択され、2024年8月より水空合体ドローンを用いた実証を開始することを発表した。

 水空合体ドローンは、空中ドローンと水中ドローンが合体し、モバイル通信による遠隔操作で飛行や潜水ができる。音響測位装置により、衛星利用測位システム(GPS)が使えない水中でもドローンの位置情報を取得可能。同取り組みでは、遠隔船底点検を実施し、その手法と効率性を検証することにより、ドローンによる効率的な船底点検手法のルール化・実用化の実現を目指す。

従来方式(ダイバーによる点検)と水空合体ドローン位よる船底点検の比較図版

 世界全体のCO2の約2.5%を排出する海運業界では、船舶の燃費性能の向上や海洋環境保護が求められており、 燃費悪化の要因となる船底付着物の管理や船底年次点検義務化の機運が高まっている。また、従来の船底点検はダイバーが目視で行ってきたが、今後人材不足が想定される。

 この取り組みにより、遠隔・自律航行するドローンで撮影し、AIで解析を行うことで、船底点検作業全体の効率化、均質化、危険作業削減の実現を目指す。また、社会実装を前提に日本海事協会と実用化に向けた船底点検のルール作りを行う。

【各社役割】

KDDIスマートドローン・スマートドローンプラットフォーム提供
・モバイル通信提供
・ドローン運航管理オペレーション
プロドローン・機体開発
・ドローン機体オペレーション
國森・船底点検ニーズ集約・ルール化