写真:デュアルカメラドローン「DJI Air 3S」

 2024年10月15日、DJIは、旅先での撮影に適したデュアルカメラドローン「DJI Air 3S」を発表した。

 1インチCMOS搭載メインカメラと70mm中望遠カメラを備え、どちらも最大14ストップのダイナミックレンジに対応。新機能「フリーパノラマ」は、柔軟に撮影範囲を選択しながら、風景や建物などを細部まで鮮明に撮影することができる。

 また、今回新たに夜間撮影にも対応する障害物検知機能、高精度の次世代スマートRTH(ホーム帰還)機能を搭載した。

 希望小売価格は、DJI RC-N3付属が15万480円、Fly Moreコンボ(DJI RC-N3付属)18万8,100円、Fly Moreコンボ(DJI RC 2付属)は20万9,000円。

強化されたデュアルカメラ

1インチCMOSのイメージ

 Air 3Sのデュアルカメラは、10-bitとISO感度により画質が向上。DJI Mavic 3 Proよりも優れたディテールで写真や動画を撮影できる。ノーマルカラーモードでも、H.265エンコーディングにより10-bit動画撮影が可能。ISO感度は最大1万2,800まで向上している。

 D-Log M、HLGカラーモードは、最大3,200までISO感度が向上し、都市の夜景を明るく細部まで捉えることができる。前モデルのDJI Air 3と比較して、より高度な動画圧縮アルゴリズムを採用しており、画質を損なうことなく動画ファイルサイズを30%以上縮小する。

 両カメラが対応するフリーパノラマモードでは、被写体や範囲を手動で選択し、撮影した複数の画像を結合することでパノラマショットをスムーズに作成。広角カメラを使用すると、パノラマ写真撮影時の効率を大幅に改善する。一方、画像の歪みを軽減した中望遠カメラを使用すると、複数の写真から得た広い視界と豊かなディテールで、迫力あるパノラマ映像が生成できる。

 最大14ストップのダイナミックレンジによる動画撮影に対応。高コントラストなシーンを高品質映像で撮影できる。

写真:アームを折りたたんでコンパクトになった「DJI Air 3S」

【広角カメラ】
 有効画素数が5000万画素、1インチCMOSセンサー搭載の24mmメインカメラは、4K/60fps HDRと4K/120fps動画撮影、10-bit D-Log Mカラーモードに対応。夕暮れや夜などの低照度条件下でも細部までディテールを維持する。

【中望遠カメラ】
 3倍光学ズームを採用した70mm中望遠カメラは、ポートレートや車両撮影に適している。被写界深度の圧縮効果により被写体を際立たせ、シネマティックな印象の映像を撮影する。有効画素数4800万画素、1/1.3インチCMOSセンサーを搭載し、メインカメラと同じ動画仕様とカラーモードに対応している。これにより、視覚的に統一感のある映像を実現し、効率的な後処理を可能にする。

水辺を飛行するドローン

夜間撮影にも有効な障害物検知機能

 前方LiDARと下方赤外線ToF(飛行時間)センサー、6個のビジョンセンサー(前面、背面、下部に各2個)を搭載し、夜間撮影時の全方向障害物検知を実現。障害物を自動で識別、回避し、安全に夜間撮影を実施できる。

 リアルタイムビジョンポジショニングと地図構築技術を搭載。十分な照度が確保されている時点で飛行経路を記憶し、衛星信号がない場所から離陸しても安全に帰還する。

機体前方のLiDARなどのセンサーが稼働しているイメージ

ActiveTrack 360°でフォーカスを維持

 ActiveTrack 360°により被写体をフレーム内に維持し、最適化されたトラッキング性能により、周囲の飛行環境に基づいて飛行経路を自動で計画する。茂みの後ろや橋の上にいる人物など身体の下半分が隠れていても、フレーミングを調整しながら被写体をフレームの中心に維持する。

 マニュアルでの飛行時や被写体がフレームの中心から外れている場合でも、焦点をシャープに維持する被写体フォーカス機能を搭載。

写真:スキーをする人と、その後方上空を飛行するドローン

その他の機能

 飛行時間は最大45分。DJI O4 HD映像伝送技術により、最大20km(日本国内では10km)離れた場所から1080p/60fpsの10-bit映像伝送が可能。内蔵ストレージは42GBと大容量で、microSDカードを使わずに撮影を進めることができる。

 ドローンの電源がオフの状態でも、スマートフォンにファイル転送が可能。対応USBケーブルを機体に接続すると、パソコンにファイルを転送できる。

 充電ハブはPD急速充電と集電機能に対応しており、複数の低電力バッテリーの残量を残量の一番多いバッテリーに集中させることができる。

機体からバッテリーを抜き取る様子
スマートフォンにファイルを転送する様子

価格

DJI Air 3S(DJI RC-N3付属): 希望小売価格 15万480円
 スマートフォン上でライブ映像と飛行状況を確認可能。

写真:DJI Air 3SとDJI RC-N3
DJI Air 3S(DJI RC-N3付属)

DJI Air 3S Fly Moreコンボ(DJI RC-N3付属): 希望小売価格 18万8,100円
 DJI RC-N3送信機、NDフィルターセット、追加バッテリー2個、バッテリー充電ハブ、ショルダーバッグなどが付属する。

写真:DJI Air 3SとDJI RC-N3、バッテリー充電ハブ
DJI Air 3S Fly Moreコンボ(DJI RC-N3付属)

DJI Air 3S Fly Moreコンボ(DJI RC 2付属): 希望小売価格 20万9,000円
 1080pの解像度、700ニトの高輝度に対応した5.5インチ画面を備えたDJI RC 2送信機、NDフィルターセット、追加バッテリー2個、バッテリー充電ハブ、ショルダーバッグなどが付属する。

写真:DJI Air 3SとDJI RC 2、バッテリー充電ハブ
DJI Air 3S Fly Moreコンボ(DJI RC 2付属)

▼ DJI Air 3S
https://www.dji.com/air-3s