東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)と川崎重工業(以下、川崎重工)、FPV Robotics(以下、FPV ROBOTICS)は、空飛ぶクルマを新幹線の二次交通と位置づけた高付加価値観光の旅行商品を2024年10月1日より一般販売する。盛岡駅隣接の臨時ヘリポートより北東北エリアを結び、販売状況などからニーズを検証する。

実証実験 概要

 同実証実験では、空飛ぶクルマと新幹線の連携による移動・観光需要のニーズ検証、駅隣接のヘリポートを設置する際に必要な付帯サービスや条件の確認を行う。

 具体的には、盛岡駅隣接の臨時ヘリポートからヘリコプターを利用した北東北エリアを巡る旅行商品の企画・販売、駅隣接ヘリポートの運営とヘリコプター実証運航、利用者へのアンケート等の調査を実施する。

実証実験の概要図。出発地より新幹線や在来線で移動し、駅からアクセスの悪い観光地へ空飛ぶクルマで移動する。

 実施期間は、2024年11月2日から20日まで。盛岡駅臨時ヘリポートから、岩手県を中心とした北東北エリア(小岩井エリア・宮古エリア・安比エリアなど)までヘリコプターで移動する。

 販売期間は、2024年10月1日から催行日の2週間前まで。川崎重工グループのヘリコプターワンストップ手配チャーターサービス「Z-Leg」公式サイトで販売する。

写真:雪の上のヘリコプター(左)、ヘリコプターからの雪山の景色(右)
冬の観光地へのヘリツアーイメージ

【各社の役割】

社名主な役割
JR東日本駅隣接臨時ヘリポートの用地確保・調整
川崎重工ヘリポート調査、ヘリサービスの提供、旅行商品企画
FPV ROBOTICSヘリポート周辺の小型モビリティのニーズ調査

 この実証実験は、JR東日本が設立した「WaaS(Well-being as a Service)共創コンソーシアム」の実証活動テーマ「駅と空をむすぶ『空飛ぶクルマ』の事業検証」の一環となる。

 これまでに、JR東日本、川崎重工、FPV ROBOTICSを含む計9団体が参画し、同取り組みの検討を進めてきた。2023年12月には、JR新宿ミライナタワーおよび長野駅近隣ヘリポートを活用し、ヘリコプターを使用した実証実験を実施。その際の課題を今回の実証で検証し、将来的な駅隣接ヘリポートを活用したサービスの検討やヘリポート開発の可能性を探る。

2023年度実証の様子(新宿ミライナタワー)