2024年7月25日、Liberaware(以下、リベラウェア)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「SBIR推進プログラム」(連結型)に、倒壊建屋内における生存者を確認するための小型ドローン周辺機器研究開発に関する提案を行い、採択されたことを発表した。

 同事業は、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の規定により定められた指定補助金等の交付等に関する指針に基づき、多様化する社会課題の解決に貢献する研究開発型スタートアップ等の研究開発の促進および成果の円滑な社会実装を目的としている。今回の採択は、研究開発の初期段階(POC、FS)であるフェーズ1に該当し、最大1,500万円の助成金を予定している。

 同社は小型ドローンや周辺機器の研究開発の知見をベースに、公募テーマである「倒壊建屋内における生存者を確認するための小型ドローン周辺機器」の開発および社会実装を推進する。

無線装置と操縦者、倒壊建屋に取り残された人と小型ドローンのイメージ画像
事業イメージ

 災害時の行方不明者の捜索、特に倒壊家屋内で生き埋めになった生存者の探索は課題の一つとなっている。従来の探索では、がれきが多く家屋に進入できなかったり、余震が続く災害現場での作業は危険を伴っていた。この課題に対し同事業では、屋内狭小空間に進入できる小型ドローン「IBIS2」の特徴に加え、従来よりも広範囲な調査を可能にする無線送受信装置およびリアルタイムで体温を確認できるサーモカメラを開発する。

事業概要

 リベラウェアが開発した超狭小空間点検ドローンIBIS2および関連機材を改良し、生き埋めになった生存者を迅速に捜索する。

【主な研究開発内容】

1. 複数の無線送受信装置から発信する無線電波のうち、強い無線の方に自動的にIBIS2が接続する仕組み

 倒壊家屋内では無線電波の到達距離が限定的である課題に対して、より広範囲な調査を可能にする。

2. リアルタイムに映像伝送する小型サーモカメラ

 倒壊家屋内が視界不良である課題に対して、生存者の体温が可視化されることによる見落とし防止・早期発見を可能にする。