KDDIスマートドローンと九電ドローンサービスは、2024年7月17日に業務提携を締結した。KDDIスマートドローンの運航管理技術や、九電ドローンサービスが持つインフラ設備点検の技術・知見を合わせることで、全国各地でのドローン活用の実現と利用拡大に共同で取り組む。

 国内では、生産年齢人口の減少に伴う労働力不足、インフラの老朽化、地域の過疎化や高齢化、建設業界の2024年問題などが社会課題となっている。特に社会インフラは高度経済成長期に整備されており、耐用年数の50年を超えてさまざまな設備の老朽化が進んでいる。こうした設備の定期的な点検や監視が必要とされる中、ドローンを活用した点検・監視業務の効率化が期待されている。

 KDDIスマートドローンと九電ドローンサービスは、運航管理技術を用いた安全で効率的な屋外での遠隔自動インフラ点検サービスや、高度なドローン活用を全国の顧客へ迅速に提供する体制構築など、ドローンの社会実装を実現するため、以下の取り組みを実施する。

1. 通信回線を利用したドローンの遠隔自動点検に関するシステム・サービスの開発
2. 全国各地のフライヤーオペレーション体制構築および相互支援
3. ドローンサービス全般に関する営業活動の相互支援
4. 機体および周辺機器の販売に関する相互支援
5. 技術検証の相互支援およびソフト開発における共同検討

 例えば、上空モバイル通信やStarlink等の通信回線を活用したサービスのアセットを構築し、企業や自治体への導入運用・監視サポートなどを一気通貫で行い、運航管理技術を用いた遠隔自動インフラ点検を全国各地で提供することを目指す。また、九電ドローンサービスは、KDDIスマートドローンの国内プライマリーパートナーであるSkydio製品の取り扱いを開始し、新製品のSkydio X10を主軸に販売およびソリューションの構築を加速させる。

 両社はドローン運航者を支援するソリューション・サービスを提供し、日本全国の企業や自治体が高度なドローン活用をより簡易に導入できるよう共同で展開するとしている。

日本地図をベースに、全国各地で点検・監視業務においてドローンが活用される様子を表したイラスト