2024年7月23日、富士フイルムは、1億200万画素ラージフォーマットセンサーを備えたミラーレスデジタルカメラ「GFX100シリーズ」をドローン搭載時に遠隔操作するためのLinux版ソフトウェア開発キット(SDK)を開発したことを発表した。今後、同シリーズの搭載を希望するドローンメーカーに対してSDKの提供を順次開始する。

 第一弾として、オリジナルのオートパイロット(自動操縦機能)を搭載した高い飛行精度を持つドローンを開発しているAutonomyホールディングスと協業し、Autonomy社の新型ドローン「Surveyor Ⅳ」と同SDKを使用したGFX100シリーズの組み合わせによる高精度インフラ点検に関する研究開発を開始する。

写真:ドローン(クアッドコプター)と、機体に搭載されたカメラ
「Surveyor Ⅳ」と「GFX100S Ⅱ」の組み合わせイメージ

 インフラ点検では0.1mmのクラックが鮮明に判別できる精度が要求されるが、ドローンによる点検では飛行時間を短縮するために一度に広範囲を撮影することが求められる。

 GFX100シリーズは、専用の交換レンズとの組み合わせで超高解像画像の撮影が可能。引きの画角でひび割れなどを鮮明に捉えることができるため、6100万画素の35mm判イメージセンサー搭載カメラに比べて撮影回数を約40%削減し、点検時間を短縮する。

 また、一般的にドローンに搭載するカメラは軽量化した専用機種を使用するため高価になる傾向がある。GFX100シリーズの最新機種である「FUJIFILM GFX100S Ⅱ」は、フジノンレンズ GF35-70mmF4.5-5.6 WRとの組み合わせで総重量約1,273gと、1億画素を超えるラージフォーマットセンサー搭載カメラとしては極めて軽量なため、民生用カメラシステムのままでドローンへの搭載が可能だ。

 今回開発したLinux対応のSDKを利用することで、ドローンメーカーは自社の仕様に合わせたカメラ制御用ソフトウェアを開発し、各社のシステム上で富士フイルム製の超高画質デジタルカメラをリモート制御することが可能となる。

写真:2430万画素(左)、1億200万画素(右)で撮影したひび
2430万画素のデジタルカメラと1億200万画素の「GFX100S Ⅱ」の解像度の比較