2023年8月10日、ドローンショー・ジャパンは、ドローン安全推進協議会と、ドローンに関連する技術およびサービスにおける安全運用に関するガイドライン策定に向けて、協定を締結したことを発表した。これに併せて無線LAN規格における5GHz帯の屋外実験局免許を取得し、1,000台規模のドローンショーの提供を開始した。

 日本の電波法では屋外での利用制限がある5GHz帯の無線LAN通信において、ドローンショー分野で実験局を開局したのは国内初だという(※1)

 同協定により両者は包括的な連携のもと、ドローンを用いた新産業の安全運用を図り、これに伴う新たな技術・サービスを生み出すことによる、これらの産業の定着、集積、発展を目指す。新産業・ドローンエンタメ産業の創出発展、地域活性化に向けた協働研究、技術者等の人材育成に取り組むとしている。

※1 屋外における5GHz帯を合法的に利用してのドローンショーとして。(2023年8月10日時点、同社調べ)

5GHz帯実験局の開局背景

 電波法では気象レーダー等への電波干渉の恐れがあるため、屋外のドローンショーで5GHz帯を利用することは禁止されている。そのため同社は屋外ドローンショーで利用可能な2.4GHz帯を使っていたが、周波数帯域幅の問題から、安全性を重視して500台以上の飛行を控えていたという。

 同社は総務省および気象庁と協議を重ね、総務省から屋外ドローンショーにおける5GHz帯無線LANの実験局免許を取得し、8月に都内で900台のドローンショーを実施した。

都内で実施した900台のドローンショー(2023年8月)

各者コメント

ドローン安全推進協議会 事務局長 川口禎光氏

 ドローンを多数使用したドローンショーが、世界中のエンターテイメント分野において、急激に事業拡大しております。日本がこの分野でのトップランナーを目指すべく、ドローン安全運用に向けた基本合意を「ドローンショー・ジャパン社」と当協会との間で締結をいたしました。

 ドローン安全運用に関するガイドライン策定は、まさに安心安全基準に則った日本的ドローンエンターテイメント新産業の創出発展に寄与するものと思料します。

ドローンショー・ジャパン 代表取締役社長 山本雄貴氏

 人々を楽しませ感動させるエンターテイメントだからこそ、何よりも安全面を優先し、然るべき知識とノウハウを蓄積することが重要だと考えます。

 この度の、ドローン安全推進協議会さまとの安全運用ガイドライン策定が、エンタメ分野におけるドローン活用のさらなる発展につながることを願っています。

 また、ドローンショー分野で5GHz帯の無線LAN通信実験局を国内で初めて開局させて頂いたことは、大変光栄である反面、今後の国内ドローン技術発展の一翼を担うということでもあり、身が引き締まる思いです。