2023年4月25日、DJIは、3眼カメラシステムを搭載したフラッグシップドローン「Mavic 3 Pro」を発表した。Hasselbladカメラと中望遠・望遠カメラを採用し、最大飛行時間は43分、DJIドローンの代表的な機能である全方向障害物検知や、最大15kmのHD映像伝送(日本国内は8km)などの機能を多数搭載する。

 2023年4月25日よりDJIオンラインストアおよび認定ストアで予約販売を受け付けており、販売開始は5月9日を予定している。

DJI Mavic 3 Pro(DJI RC付属)26万1,800円
DJI Mavic 3 Pro Fly More コンボ(DJI RC付属)35万2,000円
DJI Mavic 3 Pro Fly More コンボ(DJI RC Pro付属)47万1,900円
DJI Mavic 3 Pro Cine Premium コンボ56万3,420円

1台のドローンに3種類のレンズを搭載

 焦点距離24mm、70mm、166mmの3眼カメラシステムを備え、幅広いシナリオに対応する。広角カメラにより撮影したい場所を確認し、中望遠カメラで特定のロケーションに絞った上で、その中の特定の景色や人物に焦点を当てて撮影するなど、それぞれのカメラを組み合わせて使用することができる。

Hasselbladカメラ(広角24mm)

 他のMavic 3シリーズと同様、4/3型CMOS Hasselbladカメラを搭載。最大12.8ストップのネイティブ ダイナミックレンジに対応し、12-bit RAW画像を撮影できる。ハッセルブラッド ナチュラルカラー ソリューション(HNCS)により、人の目で知覚した色合いを正確に再現できるため、面倒な後編集や複雑なカラープリセットは不要。最大5.1K/50fps、DCI 4K/120fpsとプロ向けの動画スペックとなっている(※1)

 10-bit D-Log Mカラーモードに新たに対応し、最大10億色を記録する。夜明けや夕暮れ時などのハイコントラストな撮影でも、細部まで繊細に捉えた自然なカラーグラデーションを再現する。また、D-Log Mモードによりカラーグレーディングがしやすくなり、画質や鮮明度を下げることなく、効率的なポストプロダクション工程(撮影後の仕上げ作業)が可能になる。

 Mavic 3 Pro Cineはオプションとして、3種類のカメラ全てがApple ProRes 422 HQ/Apple ProRes 422/Apple ProRes 422 LTコーデックに対応している。1TB SSDを内蔵。

※1 アクティブトラックは、4K以上の解像度または60fps以上のフレームレートで撮影中は使用不可。

中望遠カメラ(70mm)

 1/1.3インチCMOSセンサーを搭載した光学3倍ズーム、4,800万画素/1,200万画素の画像や4K/60fpsでの動画撮影が可能で、D-Log Mにも新たに対応している。圧縮効果により被写界深度が浅くなり、被写体を際立たせることで独特な奥行き感を持った映像を制作できる。

望遠カメラ(166mm)

 Mavic 3の望遠カメラと比べて、解像度、絞り(F4.4からF3.4)、動画フレームレートの性能が向上。光学7倍ズームでの4K/60fps動画撮影や1,200万画素の画像撮影が可能。最大28倍ハイブリッドズームを備える。

飛行時間は最大43分、全方向障害物検知機能で安全に飛行

 十分なバッテリー容量を確保し、最大飛行時間は43分。また、全方向障害物検知とAPAS 5.0を搭載しており、8つの広角ビジョンセンサーが高性能の視覚情報計算エンジンとシームレスに連携し、全方向の障害物を正確に検知、障害物を避けた安全な飛行ルートを計画する。

 DJI O3+伝送システムは、1080p/60fps HDライブ映像を高いフレームレートで最大15kmの伝送が可能(日本国内は8km)。そのほか、ウェイポイント飛行やクルーズ制御、アドバンストRTHといった自動飛行機能を備えている。

ウェイポイント飛行
 事前設定したウェイポイントをもとに自動で飛行ルートを計画し、同じルートを正確に繰り返し飛行する。

クルーズ制御
 操作スティックを倒し続けることなく任意の方向に飛行する。離れた場所からのマニュアル操作飛行でも、よりスムーズなカメラワークが行える。

アドバンストRTH
 安全性と効率の点を考慮してホームポイントに戻る飛行ルートを自動決定し、RTH中の経路上にある障害物を迂回して帰還する。

インテリジェント機能

 DJIドローンが備える一連のインテリジェント機能の全てに対応している。

フォーカストラック
 Hasselbladカメラと中望遠カメラは、ActiveTrack 5.0、スポットライト、POI(ポイント オブ インタレスト)の3種類のモードで構成されたフォーカストラックに対応。さまざまな方向に飛行しながら安定したトラッキング撮影を実行する。(166mm望遠カメラはActiveTrack 5.0非対応)

マスターショット
 タッチ操作で手軽に開始することができ、自動で撮影や編集、音楽を追加。シネマティックな動画を自動生成する。(Hasselbladカメラのみ対応)

クイックショット
 ドローニー、ロケット、サークル、ヘリックスといったクイックショット機能を用いて、さまざまなカメラワークで撮影が可能。(Hasselbladカメラのみ対応)

パノラマ撮影
 画質を犠牲にすることなく、複数の画像を合わせて構成した1億画素のパノラマ画像を作成する。(Hasselbladカメラのみ対応)

 また、撮影後のRAW映像の転送操作が簡単になり、高速クイック転送を使用すると、Wi-Fi 6を介して最大80MB/sの速さで画像や動画データをドローンからモバイル端末に直接ダウンロードできる。

 コンテンツを効率よく編集したい場合は、撮影方法や編集機能を多数収録した動画編集アプリ「LightCut」を活用することで、映像をMavic 3 Proからエクスポートすることなくプレビューが可能。ワンタッチでAI編集を行い動画を制作できる。

 ヘッドマウントディスプレイのDJI Goggles 2や、モーションコントローラーDJI RC Motion 2にも対応する。

▼Mavic 3 Pro
https://www.dji.com/jp/mavic-3-pro