2022年11月30日、パナソニックホールディングス(以下、パナソニックHD)は、丸の内仲通りや行幸通り等(東京都千代田区)において、公道でのロボット(完全遠隔監視・操作型自動搬送ロボット)単独による販売実証実験を実施することを発表した。

 同実証は、大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会を構成員とする大手町・丸の内・有楽町地区スマートシティ推進コンソーシアムが採択を受けた、2022年度「国土交通省(都市局)/スマートシティモデルプロジェクト(継続採択4年目)」の一環として実施され、パナソニックHDはロボットソリューションを提供している。

丸の内仲通りを走行する「ハコボ」。本体サイズ W900mm×D550mm×H1150mm、速度は最大4km/h、約3時間の走行が可能。

 パナソニックHDは、これまでFujisawaサスティナブル・スマートタウン(以下、Fujisawa SST)における店舗から住宅への配送サービス実証、つくば市での楽天グループ、西友との実店舗からの日用品の配送サービス実証など、ロボット配送の実証実験を実施している。

 今回の丸の内仲通り等における実証実験では、自動走行する搬送ロボット「ハコボ」が指定ルートを巡回しながら、特定地点においてカプセルトイや飲料などの無人販売を行う。ハコボは、機能安全に関する国際規格に適合した安全性を有し、用途に応じて荷台を入替できることにより安全性と柔軟性を両立する。

 同社は2022年4月に、Fujisawa SSTにおいて完全遠隔監視・操作型自動配送ロボットの道路使用許可を取得するなど、小型低速ロボットの自動走行能力の向上や、AI技術を活用した遠隔監視・操作システム「X-Area Remote」により、ロボット近傍の保安要員なしでの複数台同時運用に取り組んできた。

 その後、Fujisawa SSTでの240時間走行を完了し、特定自動配送実証実験に係る道路使用許可基準に基づき、同地域での道路使用許可を取得。これにより、公道審査を伴わない簡素な手続きで類似環境での他拠点展開が可能になった。今回は、この制度に則った他拠点展開の第1号事例となる。

実証期間・場所

実証期間 :2022年12月1日~2023年2月4日(予定)※日・月曜日、年末年始は実施しない
実施時間 :11:00~16:00頃(日没時間により変動あり)
実証場所
2022年12月:丸の内仲通り(丸ビル~三菱ビル)、大名小路、行幸通り
2023年1・2月:丸の内仲通り(丸ビル~丸の内パークビル)、大名小路、行幸通り

 2022年12月はエリアイベントMarunouchi Street Parkにあわせたカプセルトイ(スマホリング7種)の特別販売(500円・支払いは硬貨のみ)、2023年1月以降はロボットの荷台を入れ替え、保温された飲料・軽食の販売(電子決済のみ)を予定している。

走行エリアと販売ポイント。●の地点で20〜30分ほど停車し、商品を販売する。販売地点は状況に応じて変更する。
カプセルトイを販売する様子。
飲料などを販売する様子。