ゼンリンと秋田県横手市は、2022年9月6日から11月中旬までの期間、同市において「地域まるごとSmart Terrace Store」の実証実験を実施する。

 同実証では、地域住民の小売店までの物理的な距離を短縮するコミュニティストアSmart Terrace Store(STS)やドローン等の最新技術を活用することで、新たな食料品アクセス手段を提供し、食料品アクセス問題の改善を目指すとしている。

 なお同実証は、農林水産省が公募した「新技術の活用等による食料品アクセス問題への取組支援事業」として実施するものである。

 実証実験では、地域のコミュニティストアSTSを適切な場所に設置し、地域住民の小売店までの物理的な距離を短縮することで、食料品アクセスの向上を図る。また、STSの設置が難しい地域の住民には、ドローンを活用した食料品配送を実施する。

 今後両者は実証結果をもとに、将来的な実用に向けた協議を進め、持続性の高いSTSのビジネスモデルを構築できるよう検討していくとしている。

実証概要1「Smart Terrace Store」

 STSの実証では、ゼンリンの地図情報と人口分布や地理特性、交通ネットワーク等の情報を活用し、食料品アクセス向上に最適と判断した箇所にSTSを設置。小売店までの物理的な距離を短縮することによる食料品アクセス問題の改善を目指す。
 STSにはテラスが設置され、地域コミュニティ醸成の場としての役割も備える。

 1回目の実証は、2022年9月6日~9月17日に、狙半内地域センターにSTSを設置。2回目は2022年11月上旬~11月中旬を予定しており、狙半内地域センターと十文字西地区館にSTSを設置する。

【Smart Terrace Store 概要】
1. STSに来店した住民は、設置された注文システムから購入したい商品を選択。
2. 注文された商品情報は地域のスーパーへ送信され、配送用に梱包。
3. 梱包された商品は翌日までに集荷され、各地域のSTSへと配送される。
4. 住民はSTSにて注文した商品を受け取り、セルフレジにて代金を支払う。

実証概要2「ドローンを活用した食料品配送」

 STSまでの移動が困難な住民に向けて、ドローンを活用した食料品配送の実証実験を実施する。河川上空を空の道として整備し、注文から受け取りまでの一連の流れを実証することで、実運用で想定されるドローン配送の課題検証を行う。

 実施期間は2022年10月25日~10月28日(予定)、雄物川河川公園から二井山地区農村集落多目的共同施設まで、約6kmの長距離飛行を想定している。

各者の役割