2022年6月22日、USセルラーとエリクソンは、高所におけるドローン技術を使った5G試験を開始したことを発表した。この取り組みは、USセルラーの5Gネットワークを使用した最初の試験であり、今後さまざまな業界におけるセルラー接続ドローンの将来の基盤となるものである。

 USセルラーの2つの商用5Gタワー間を飛行するドローンを用いて、最初の見通し線試験をウィスコンシン州ベロイトで行った。このドローンは、5Gスマートフォンと、信号の強度と品質、アップロード・ダウンロード速度、さまざまな高度での飛行中の遅延などの性能値を記録するRF測定機器を搭載しており、ローバンドとハイバンド両方のデータを収集した。
 今回の試験目標は、空中におけるネットワーク接続と速度のデータを収集・分析し、地上で計測される速度と比較して、最終的には将来の5G接続ドローンの実利用と成功が見込まれる要件について理解することにある。

 USセルラーの技術戦略とアーキテクチャー担当副社長、ナロサム・サクセナ(Narothum Saxena)氏は、「高所での無線接続を試すことで、将来的には空中にあるドローンに対して接続をする準備を整えています。コマンドと制御機能を提供し、より簡単で高速、安全なリアルタイム画像とデータの共有を実現できるはずです。私たちのネットワークは、接続を介してドローンの飛行を最適化するために役立つと信じています。エリクソンの支援を得て、今後もお客様の無線通信体験を向上させるイノベーションを追求してまいります」と述べている。

 無線通信事業者のドローン活用例の一つに、実際にタワーに登らずに検査できるということがある。この種の利用方法は他の産業にも拡張でき、農場の納屋や貯蔵庫の上部を検査したり、給水塔を検査することも可能だ。こうした作業は接続のないドローンでも実施できるが、5G接続を使うことでドローンはパイロットの見通し線外の領域にまで到達し、ネットワークを介してドローンの映像をライブストリーミングできる。これにより従来よりも効率的で費用対効果の高い検査が可能となり、リアルタイムのデータ収集と配信、特に接近が難しい場所での適切な映像を確実に撮影できるといった利点が得られるとしている。

 エリクソン北米地域のUSセルラー事業担当副社長、ジョシー・プロチロ(Jossie Prochilo)氏は次のように述べている。「ドローン技術は今日の市場に幅広い新しい機会を提供します。USセルラーとの試験は、社会や企業に利益をもたらす高度な接続ドローンの利用に向けた大きな一歩です。Ericsson Connected Drone TestingとEricsson Device Analyticsは、通信事業者の実績あるソリューションを強化するもので、USセルラーに5Gネットワークを介したドローンの商用運用をサポートする、接続ドローン試験のための最先端の機能一式を提供しています」。