NTTドコモ(以下、ドコモ)は、災害などにより利用が困難となった携帯電話サービスエリアの早期復旧を目的に、2022年2月9日から「ドローン中継局」の運用を全国で開始する。

 ドローン中継局は、ドローンでの利用を想定した専用の小型中継局を搭載し、周辺のドコモの基地局電波を上空で捉えて中継することで、臨時のエリアを形成するものである。従来の移動基地局車などと比較して可搬性に優れるなどの特性があり、現場到着から約1時間で運用を開始することが可能なため、被災現場の状況に応じた柔軟で迅速なエリア復旧を実現する。電源は陸上から供給し、係留した状態で運用を行う。

運用イメージ

 ドコモでは2017年から、ドローン中継局の導入に向けた実証実験などに取り組んできた。災害時などで、係留するドローンでの中継局の運用を可能とする2020年6月の電波法令改正以降、一部地域への配備や飛行訓練を行い、今回、全国主要保守拠点への配備および運用習熟がすすんだことから全国での運用を開始する。

ドローン中継局

【ドローン中継局スペック】
サイズ(D×W×H):1,620×1,620×1,000mm
耐風性能:10m/s
通信方式:3G/LTE(LTEはFDD方式のみ)
対応周波数:800MHz帯、2GHz帯(ドコモ周波数のみ)

【想定される利用シーン】
河川や道路沿いといったエリアの端など

山間部など

【運用開始に向けた訓練の様子】
 ドローン中継局の飛行訓練に加え、電波法令改正後は商用の無線局免許を取得し、災害対応時のエリア復旧を想定した訓練を実施している。