2021年11月19日、シーセブンハヤブサと鳥取県八頭町、鳥取銀行が推進する「八頭未来の田舎プロジェクト」は、skyerと共同でドローン配送の実証実験を実施すると発表した。

 八頭未来の田舎プロジェクトでは、行政・企業・地域金融機関などさまざまなステークホルダーが連携して、持続可能な未来の田舎づくりに向けて取り組んでいる。人口減少社会において顕在化している地域課題に対し、実証実験や地域を絡めた仕組みづくりを行う。同プロジェクトの推進体制として、八頭町のコミュニティ複合施設「隼Lab.」を運営するシーセブンハヤブサ、八頭町、鳥取銀行は、2021年10月25日に連携協定を締結している。

 今回、​同プロジェクトの実証実験第一弾として、ドローン配送による災害支援・過疎地域への宅配や配食サービスを想定した飛行実験を行う。また、これに先立ち、同プロジェクトのティザーサイトを公開した(本サイトは12月にリリース予定)。

 11月25日に実施を予定している実証実験では、事前にプログラミングされたドローンが、隼Lab.と船岡竹林公園の2地点を結ぶ約2.7kmを飛行し、災害支援物資と弁当を配送する。飛行ルートは、見槻川の上空。中山間地域である八頭町には、町内の広い範囲に渡って河川が流れており、その上空を活用することで、将来的に町内全域にドローンの飛行ルートを確立することを想定している。

 災害等の緊急時の物資搬送や捜索活動、中山間地域への配食サービス等の提供に向けた実証実験を行うことで、技術的事項や体制構築の検討を進めるとともに、住民理解の促進を図る。

実証実験の飛行ルート

 近年、地震や気候変動等による自然災害が頻発しており、八頭町でも、2018年の7月豪雨をはじめ、記録的豪雨や大型台風、豪雪などにより土砂崩れや倒木などが発生し、集落が孤立するなどの被害が出ている。自力での避難が困難な高齢者が多い地方では、逃げ遅れた人や孤立した集落への物資搬送、捜索活動の手段としてドローンに期待が寄せられている。

 また、民家が点在する中山間地域は配送負担が大きいことや、独居老人・老老介護状態の高齢者世帯が多い地域では、栄養バランスのよい食事をとるのが難しい人々の健康維持・介護予防という課題もある。ドローンによる宅配や配食サービスが実現すれば、高齢者だけでなく、さまざまなサービスが行き届きにくい地域での暮らしがより持続可能なものになると見込まれる。