2021年11月17日、テラドローンの海外グループ会社のユニフライ(本社:ベルギー)は、サウジアラビアで進行中の巨大スマートシティプロジェクト「NEOM」に参加し、ドローン無人運航システム(UTM)を開発から約2ヶ月で実装したことを発表した。

 NEOMは、サウジアラビア北西部の紅海・アカバ湾沿岸に、再生可能エネルギーを動力源とする2万6,500平方kmの都市を建設するプロジェクトである。世界経済の中心として貿易やイノベーションのハブになることを目指しており、サウジアラビアが2030年をターゲットに進める経済多角化事業のひとつだ。
 監督は同国ムハンマド・サルマン皇太子をトップに据える特別機関で、操業は政府ファンドが行う。既存の政府の枠組みから外れ独自の法律が適用されるユニークさから、すでに国内外から巨額の投資を集めるプロジェクトになっているという。

 ドイツ、カナダ、スペインなど欧米諸国においてドローン運航管理システムの開発実績を持つユニフライが、今回、NEOMの輸送サービス等のインフラ構築に参加。UTMの導入は通常、ローカライズや飛行承認プロセスの確認などに一定の時間を要するが、同プロジェクトでは約2ヶ月で開発から実装までを実現した。今回の案件を経て同社は、開発における効率化や開発スピードを向上する体制が整いつつあるという。

 これまで、ドローン運航管理システムの開発は国家単位の入札案件が中心であったが、地域や都市レベルでの案件が増加していくことも予想される。ユニフライは、ドローン運航管理システムの実績を積み重ね、ドローン市場のデファクトスタンダードを目指す方針だ。

 テラドローンは2021年より空飛ぶクルマ領域へ本格的に参入している。2022年に予定される日本国内のドローン規制緩和を見据えて、ユニフライの実績と知見を活かしながら安全で効率的な飛行を実現する運航管理を検証し、低空域のインフラにおける課題解決を目指すとしている。