11月1日、ジャパン・インフラ・ウェイマーク(以下JIW)は、インフラ点検の自動検査が可能となる自社開発AIを活用したクラウドシステム「PQRSシステム」の提供を開始することを発表した。

 同システムは、高品質の教師データを学習したAIにより、ドローン等で撮影した画像の解析を高精度に行う「Waymark AI」と、点検対象物の不具合箇所を3D空間上でわかりやすく表示する「Waymark Qube」、画像解析結果を動画に付与し点検状況を確認できる「Waymark Reel」、これらを束ねる点検プラットフォーム「Waymark Portal」の4つで構成される。

 インフラ点検分野では、ドローンの活用が進む中、企業間でのセキュアでスムーズな画像等の情報共有や、一連の点検業務を複数の企業で分担して行う場合であっても一定の基準をクリアする標準的な点検フローの確立に関するニーズが高まっている。また、ドローン等により取得した膨大なデータ解析業務においても、作業の効率化を目的としてAI活用が注目されている。

 JIWは、これらのニーズに対応するAIを搭載したクラウドシステム「PQRSシステム」を開発、提供を開始する。点検データの解析・劣化箇所の識別を自動化し、点検オペレーションの効率化を図る。

PQRSシステムの機能詳細

1)Waymark Portal
 インフラ点検業務の一連の作業やデータ管理等を一元的に行うプラットフォーム。空撮・点検プロジェクトの管理、工程ごとの担当者のアサイン、点検システムとの連携、点検結果レポートの管理等が可能で、同一設備に対する複数観点での点検(共同点検等)にも対応する。

Waymark Uploaderアプリケーション
 大量の点検データを効率よく高信頼にクラウドへアップロードする。複数の点検プロジェクトのデータをまとめてアップロードする一括アップロード機能や、動画ファイルなど大きなサイズのファイルのアップロード途中に停止・再開を行うリジューム機能を提供する。

2)Waymark Qube
 点検対象物のどの場所にどのような不具合が存在するかを、3D空間上で視覚的にわかりやすく表示する点検システム。AI連携機能による画像解析結果を用いて、変状種別ごとの絞り込み、AIが推論した結果が付与された点検画像を確認することができる。

3)Waymark Reel
 動画を視聴しながら点検状況を確認できる点検システム。撮影順に沿って撮影箇所を把握することができる。AI連携機能で画像解析結果を視聴する動画に付与して、注視したい変状が含まれるフレームのみを絞り込む機能を有する。

4)Waymark AI
 各分野の点検専門家監修のもと作成した高品質の教師データを学習したAIにより、ドローン等で撮影した画像解析を高精度に行う。設備種別ごとに特化したAIで、サビを中心とした変状の検出が可能。