2021年3月29日、センシンロボティクスは、送電設備のメンテナンス業務にドローンを活用するため送電設備自動点検技術を開発し、実設備で検証を行ったことを発表した。

 今回、標準的な送電設備を対象に、ドローンと設備の安全な離隔距離を確保したうえで設備異常が判別可能な画像を撮影するルートおよびカメラアクションを自動作成する技術を確立。センシンロボティクスのドローン運行制御ソフト「SENSYN FLIGHT CORE」と、中部電力パワーグリッドと共同開発した送電設備自動点検技術を組み合わせることで、鉄塔(支持物・がいし)と架渉線(架空地線・電力線)を一括で自動点検することが可能となった。なお、機体は一般的なドローンを使用している。

 SENSYN FLIGHT COREは様々なドローン・ロボティクスデバイスに対応しており、データをクラウド管理・共有することもできる。この送電設備自動点検技術を活用することで、作業員が鉄塔に昇ることなく安全かつ短時間に設備の健全性を確認することが可能となり、作業環境の改善や点検コストの削減が実現できると同社は考えている。
 今後、大型設備を対象とした自動点検技術の確立も平行して進め、適用範囲の拡大を図っていく、としている。

実地検証概要

日時 :2020年6月5日~2021年2月26日 計6回
場所 :中部電力パワーグリッドの77kV送電線(愛知県知多郡阿久比町他)
検証内容
設備異常が判別可能な撮影条件の検証
自動点検アルゴリズムの検討
試作アルゴリズムでの実地検証

自動飛行撮影の様子

撮影画像

支持物
がいし
架空地線(直上から撮影)
電力線(側方から撮影)