グローバルインフォメーションが2021年3月17日より販売を開始した市場調査レポート「アーバンエアモビリティ(UAM)の世界市場(~2030年)」(MarketsandMarkets)によると、都市型エアモビリティの市場規模は、2020年の26億米ドルからCAGR(年平均成長率)13.5%で成長し、2030年には91億米ドルに達すると予測されている。

 近年の技術開発や商業用途でのUAVの使用、新興国での投資が同市場を牽引。都市型エアモビリティ市場では、Wisk(米国)、Lilium(ドイツ)、Ehang(中国)、Volocopter(ドイツ)、Airbus A Cubed(米国)などがUAMプラットフォームの開発に注力している。
 ドローンは耐久性が高く、遠隔操縦や搭載コンピューターによる自律操作ができるため、 小型の有人航空機に代わるケースが増えている。
 また、Eコマース業界では、迅速な荷物配送に対する需要が高まっており、無人システムを使った次世代の交通システムが期待されている。

COVID-19の都市型エアモビリティへの影響

 COVID-19パンデミックにより、UAMのサプライチェーンは大きな影響を受けている。米国・EUでは、UAM車両の研究開発施設のロックダウンがマイナスの影響を与えると考えられる。アジア太平洋地域でのロックダウンは、UAM業界の多くのスタートアップに損失をもたらし、多くの企業は開発の遅れや資本の喪失により活動を続けることができなかった。UAMの商業化は、COVID-19以前の状況に比べて1年ほどの遅れが見受けられる。

牽引要因:代替輸送手段としての需要の拡大

 国連経済社会局人口部の2017年報告書によると、世界人口は2030年に85億人に達し、その68%が都市部に住むと予想されている。1950年には7億5100万人だった世界の都市人口は、2018年には42億人に増加している。都市部の人口増加に対応するには、交通システムの効率的な管理が必要となり、交通渋滞を解決するため代替となる交通手段が求められる。自律型ドローンを利用した都市型エアモビリティは、汚染レベルの低減、輸送時間の短縮、既存の輸送システムへの負担軽減などのメリットをもたらすと期待されている。

抑制要因:政治的、経済的、社会的、技術的、法的要因による導入の制限

 政治的、経済的、社会的、技術的、法的な要因は、都市型エアモビリティの採用にあたり解決すべき課題である。都市型エアモビリティの運用は、最小限の固定費で高需要の運用に対応できるよう、経済的に規模を拡大するとともに、研究機関、産業界、学術界、政府から多額の投資が必要となる。

▼レポート詳細 (グローバルインフォメーション)
「アーバンエアモビリティ(UAM)の世界市場(~2030年):コンポーネント(インフラ・プラットフォーム)・運転(パイロット・自動)・距離(都市間・都市内)・プラットフォームアーキテクチャ・無人プラットフォームシステム・エンドユーザー・地域別」(MarketsandMarkets)
https://www.gii.co.jp/report/mama991410-urban-air-mobility-market-by-component.html