2021年1月20日、エアロネクストは、オンデマンドドローン配送サービスの社会実装を目指し、ドローン配送サービスを主事業にする戦略子会社「株式会社NEXT DELIVERY」を山梨県小菅村に設立したことを発表した。

株式会社NEXT DELIVERYのロゴ

 NEXT DELIVERYは、ドローン物流を中心に新スマート物流の実現を盛り込んだ次世代物流ソリューションを提供する。「NEXT DELIVERY サービスパッケージ」は、地方自治体や民間企業が目的に合わせたドローン配送ルートをワンストップで導入できるよう、機体だけでなくドローン物流において鍵となる「ドローンデポ」や「ドローンスタンド」という新たな機能概念を含む包括的なものになる予定だという。

 昨年11月にドローン物流導入による地域活性化と新スマート物流の社会実装に向けて連携協定を締結した山梨県小菅村に本店を構え、2021年1月より事業を開始する。

小菅村を飛行する物流ドローン

 新型コロナウイルスの感染拡大によって生活様式が変化し、ヒトの移動が制限されたことで、モノのスピーディな移動への需要が増え、さらに非対面・非接触へのニーズやEC化の急激な進行により無人化、自動化に注目が集まっている。NEXT DELIVERYは、新スマート物流の中でも特にドローンを活用したオンデマンド配送の実現を目指し、多くのパートナーと共に新産業創出と地域経済の活性化に貢献していく、としている。

設立の背景と目的

 エアロネクストは、独自の機体構造設計技術4D GRAVITY(*1)をコアに様々な産業用途のドローンの研究開発を行ってきたが、特に物流領域においては4D GRAVITYをベースに物流に特化した専用機体を開発すると共に、2022年度の「空の産業革命レベル4(*2)」を見据え、多くのパートナー企業とドローン物流の社会実装に向けてドローン物流プラットフォームの構築に取り組んできた。十分な研究開発のための飛行環境や実証実験の場の確保、具体的なドローン配送定期ルート(ドローン実験線)の開設などを実施し、地域活性化や村の課題にアプローチしながらドローン配送を含む新しい物流のしくみ(新スマート物流)を実証し、これらを実装していくフィールドとして小菅村と昨年11月に連携協定を締結している。
 今回、その活動を加速し、エアロネクストとしてのライセンス事業との相乗効果で事業収益機会の拡大を狙いとして、ドローン配送サービス事業を主体とする子会社を設立することとした。

*1 機体構造設計技術4D GRAVITY
 機体重心を最適化することで、飛行中の姿勢、状態、動作によらずモーターの回転数を均一化して、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能を向上させる構造設計技術。機体の分離結合構造とペイロードの接続の仕方に特徴を有しており、エアロネクストはこの技術を特許化して4D GRAVITY特許ポートフォリオとして管理している。

*2 空の産業革命レベル4
 2020年7月に発表された小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会による「空の産業革命に向けたロードマップ2020」で明記されている、2022年度を目標とした「有人地帯での補助者なし目視外飛行」の実現フェーズのこと。

NEXT DELIVERY サービスパッケージの提供

 目的に合わせドローン配送ルートをワンストップで導入できるよう、4D GRAVITY搭載の物流専用機体、ドローンデポやドローンスタンドを含む数種類のドローン配送サービスパッケージの提供を予定している。

・ドローンデポ
 既存物流とドローン物流との接続点に設置されるドローン配送のための倉庫
・ドローンスタンド
 ドローン物流の起点および終点に設置されるドローンの離発着のための設備

小菅村を例にしてドローンデポを中心として複数の地区に設置されたドローンスタンドとの間を物流ドローンが荷物を配送するイメージ図

株式会社NEXT DELIVERY 会社概要

会社名 :株式会社NEXT DELIVERY(英文名 NEXT DELIVERY Inc.)
代表者 :田路圭輔
所在地 :山梨県小菅村
設立 :2021年1月
資本金 :990万円
事業内容
(1)ドローン配送サービス事業
(2)ドローン配送に関わるハードおよびソフトウェアの開発、製造、販売、レンタルおよび保守