西日本電信電話(以下NTT西日本)は、2020年11月18日、大阪府堺市(堺泉北港)において、NTTドコモ関西と合同で「NTT西日本・NTTドコモグループ関西合同防災訓練」を実施したことを、2020年12月1日発表した。

 近年日本各地で発生している台風や豪雨災害、大規模地震を踏まえ、災害発生時における円滑な相互協力を行うため、NTT西日本・NTTドコモは毎年、合同防災訓練を開催しており、今回で6回目の開催となる。
 また、NTT西日本では、社外関係機関や自治体等の防災に関する連携協定の締結など、より迅速な復旧活動に向けた取り組みを推進しており、こうしたなか、2020年3月に関西広域連合と締結した「大規模広域災害における連携・協力に関する協定」に基づき、はじめて関西広域連合とも連携した訓練を行った。

 コロナウイルス感染対策のため、今年は訓練の規模を縮小しての開催となったが、実際の災害現場で連携が必要となる状況を想定し、①道路啓開により孤立解消可能なエリアの通信・電力の復旧、②孤立解消困難エリアへの通信の応急復旧の訓練、を今回の重点ポイントとして訓練は実施された。

訓練の模様
①関西広域連合と連携した倒木撤去、倒壊柱・光ケーブルの早期復旧訓練

 新たに関西広域連合との協定締結により、倒木の撤去と合わせて被災柱の撤去が可能となった。これにより一層迅速な復旧作業が可能となる。また、これまでの訓練では各関係機関がそれぞれに被災状況確認、道路啓開を行っていたが、今回、NTT西日本におけるドローンを活用した被害状況、道路、通信設備等の被災状況の模様を各関係機関が一同に会して確認し、連携、協力し合うことで、被災柱や障害物の除去、光ケーブルの敷設を含む通信設備等の早期復旧につなげる訓練を行った。ドローンは点検作業以外にも、車両では対応が困難なエリアや河川をまたいだケーブル渡し、荷物運搬等にも活用するなど、被災地における活躍の幅を広げている。

NTT西日本グループ保有のドローンによる被災箇所の調査
ドローンによる被災箇所調査後の倒木撤去作業

訓練の模様
②孤立解消困難エリアへの通信の応急復旧訓練

 NTT西日本では、通信ケーブルが被災し通信手段が取れなくなったエリアで、かつ、道路崩落などで復旧作業の実施が困難な箇所に対して、陸上自衛隊の協力を得てヘリコプターによる救援物資の運搬支援をうけている。
 また、孤立化エリアにおける断線など復旧作業に時間を要する場合は、ポータブル衛星を用いた臨時電話回線の開設を行い、被災者が利用できる通信手段を設置している。今回は、実際にポータブル衛星などの機器を自衛隊のヘリコプターに運搬してもらい、通信手段を確保する訓練を行った。
 この取り組みは、今年7月に発生した熊本における豪雨災害でも実績があり、道路崩落により被災箇所へのアクセスが困難なエリアに、復旧に必要な物資をヘリで運搬してもらうことで、災害影響を受けた通信ビルの早期復旧につながったという。

陸上自衛隊のヘリコプターで運搬された機器を受け取りに向かう訓練実施者
ポータブル衛星を用いた臨時電話回線の設置作業

もしもの時に備えて

 災害はいつどこで起きるか分からない。そのため、もしもの時に備えておくことが大切である。

大事な人と連絡方法を決めておく

 災害時には、電話がつながりにくくなる場合がある。NTT西日本では、災害発生時に被災地への通信がつながりにくい場合に「災害用伝言ダイヤル(171)」と「災害用伝言版(Web171)」を提供している。また災害時以外にも、体験利用日を設けている(体験利用について 171Web171)。
 その他にも、同社は災害に応じて避難所での特設公衆電話の設置や公衆電話の無料化などの取り組みを行っている。

▼NTT西日本の災害の備え・対策サイト
https://www.ntt-west.co.jp/corporate/disa.html