2020年10月19日、自律制御システム研究所(以下ACSL)は、文部科学省 先端研究基盤共用促進事業(共用プラットフォーム形成支援プログラム)の支援を受け、国内4機関が実施する受託事業である「風と流れのプラットフォーム」における「特定利用課題」に採択されたことを発表した。本採択により、物流用ドローンの社会実装推進のために必要な安全性の向上を目的として、機体周辺の風の流れを正確にセンシングする研究を実施する。
2018年に航空法が改正され、ドローンの無人地帯(離島や山間部等)における目視外飛行(レベル3)が可能となり、ACSLは補助者なし目視外飛行を日本郵便と2018年11月に実現。その後も多数の目視外飛行における物資輸送の実証を行ってきた。その中で同社は、物流用ドローンの社会実装が推進されるには、よりセキュアなドローンの開発が必要だと考えていた。特に、物流用ドローンの利活用が想定される離島や山間部のような環境では、天候の急激な変化などが発生するため、ドローンの耐風性能が重要な課題であり、そのような環境に対し最適な飛行制御を行う必要がある。
風と流れのプラットフォームでは、国内の6つの風洞施設、1つのスーパーコンピューターが連携している。ACSLは、これらを利用してコンピューターシミュレーションや風洞試験を実施することで、強風等の外乱環境においても安定した飛行制御が可能な物流用ドローンの開発を目指していく、としている。