2020年7月8日、機械学習・画像処理技術を活用したシステムの研究・開発とAI教師データ作成プラットフォームの運営を行うグローバルウォーカーズは、同社のAI技術とセントラル警備保障(以下CSP)のノウハウを組み合わせ、自律移動する警備ロボット向けのAI物体検出システムを受託開発したことを発表した。
CSP警備ロボット向けAI物体検出システムの概要
本警備ロボットにより、警備員では難しかった長時間の巡回警備業務が可能となり、警備員の業務の負担や、人件費の削減が期待できる。高性能な演算能力を持つ小型AIコンピュータ「NVIDIA Jetson AGX Xavier」を搭載しており、公共施設やオフィス等の人々が行き交うような混雑した場所においても、白杖や刃物を高精度かつ即座に検出することが可能となっている。
AI物体検出システムについて
同社は長年に渡るAI研究開発のノウハウをもとに、教師データ作成、AIモデル開発からシステムの実運用までをワンストップで支援する「AI Solution」を提供している。今回、本警備ロボットの主機能の一つである、カメラ映像から物体を検出するAI物体検出システムを受託開発した。
AI物体検出システムの特徴
1. 独自のAIエンジンを搭載
最新のディープラーニング研究成果を含む複数のAIモデルを用いることで、高精細カメラ映像から対象物体を高精度に検出することが可能。自動運転向け開発実績と知見を有する画像処理技術を融合させ、独自の高性能AIエンジンを開発した。
2. リアルタイムAIフレームワークの活用
グローバルウォーカーズが保有するAIをリアルタイムで実行するフレームワークにより、即座に人、物体を検出する。複数のモジュールの並列処理、C++やPythonなどの言語が活用可能となっており、C++を用いることで画像処理の高速化を、Pythonを用いることでAIの開発効率向上を実現する。
3. Annotation Oneによる教師データ作成および運用
グローバルウォーカーズの教師データ作成サービス「Annotation One」により、高品質な教師データを大量に作成し、学習を実施することで高性能なAIを実現。
今後の運用について
本警備ロボットの機能検証を、CSP主導のもと実施している。グローバルウォーカーズは、高品質な教師データの作成・運用を行うサービス「Annotation One」にて追加学習することで、随時精度向上を行っている。本警備ロボットのさらなる精度の向上をサポートしていく、としている。