2019年11月19日、総合ビルメンテナンスの大成は、アバターロボットの開発を手掛けるMira Robotics(ミラロボティクス)、品川シーズンテラスとの三社合同で、次世代型アバターロボット“ugo(ユーゴ―)”によるビル警備の実証実験を行うことを発表した。

 現在、東京都心では再開発が進み、多くの大型オフィスビルが誕生している。一方で少子高齢化が進み、ビルメンテナンス業界では人材不足が深刻な事態となりつつある。このような中、同業界へのロボティクスの導入・活用は以前から注目されていたが、従来の単一動作型ロボットでは、ビルごとに異なる環境・仕様およびサイズ感に対応できず、作業範囲が限定的であるという問題があった。

実証実験の概要

 “ugo”は、直感的な遠隔操作とAI技術を用いた自動モードを併せ持つ、次世代型アバターロボットとして誕生した。ビルにおける警備ロボットとして期待でき、“ugo”をオフィスビルに配置することで、警備員の有効的な配置や移動時間の削減による効率化のほか、人材不足の解消にもつながるものと考えているという。

 バラエティに富んだ商業エリアと、国内最大級のスケールのオフィスエリアを持ち、広大な緑地が一体となった複合施設である品川シーズンテラス協力の下、大成とMira Roboticsは、今回の実証実験を通して、人とロボットが効果的に働ける具体的な業務プロセスの構築を目指す。

 将来的には、構築した業務プロセスを大成の警備受契先へ横展開を行うとともに、ビルメンテナンス業界他社への業務プロセス共有を通じて、同業界における施設警備の新手法として確立していく、としている。

各社の役割

大成 :高度なセキュリティと非労働集約型を両立させる新たな警備ソリューションを提供
品川シーズンテラス :国内最大スケールのオフィスエリアにおける実証実験場所を提供
Mira Robotics :アバターロボットおよび遠隔操作プラットフォームの提供

実証実験 詳細

実施期間 :2019年11月18日(月)~2019年12月15日(日)
実施場所 :品川シーズンテラス(住所:東京都港区港南1-2-70)
実施範囲 :大成が提供する警備サービスの一部に“ugo”を導入。2階及びフロアの巡回警備と立哨警備を、遠隔操作と半自動モードで行う。フロア間は“ugo”自身がエレベーターを操作して移動する。
実証目的 :巡回及び立哨警備の主な目的は、不法侵入などの行為を抑止することにある。そのような心理的抑止効果は遠隔操作によるアバターロボットによる監視であっても代替可能であることを実証し、また、遠隔操作部分と自動化部分の切り分けを見極め、より効率的な警備体制について検証を行う。

次世代型アバターロボット“ugo”とは

 “ugo”は、2本のアームと高さ調整により遠隔で様々な業務を行うことができるアバターロボット。AIによる学習機能で同じ稼働条件下であれば自動モードも可能。従来の単純な遠隔操作ロボットと、完全自動ロボット双方の利点を併せ持つ次世代型アバターロボットである。