2020年3月31日、CYBERDYNEは、次世代型清掃用ロボット「CL02」に対し、機能拡張性を更に強化するための改良を行ったことを発表した。この改良により、CL02に対し目的に応じた付属装置を取り付けることで、清掃以外の様々な用途に応用しやすくなる。今回、機能拡張の第一弾として、昨今の国内情勢やニーズの高まりを受け、付属装置として消毒液噴霧機を取り付けたロボットを完成させた。また、当該付属装置を搭載したCL02の羽田空港旅客ターミナルへの導入が決定した。

背景

 同社は、2015年7月に日本空港ビルデングとの間で、羽田空港旅客ターミナルビルへの次世代型ロボット導入等における業務提携を締結し、これまで様々なロボットの共同開発及び導入を行ってきた。この業務提携は、日本の玄関口である羽田空港から日本の技術を発信していくこと、また空港利用者に対する安全・安心・便利を前提とした良質なサービスを提供すること、および、空港従業員がより健康的に働きやすい環境を創出することを目的として締結したものである。当該提携に基づき、2016年11月に空港リムジンバスの現場スタッフの作業負荷の低減を目的にHAL(R)腰タイプ作業支援用を導入した他、2019年11月には空港の清掃業務のためCL02の本格導入を行ってきた。

消毒液噴霧機能の概要

 消毒液噴霧機は、2019年11月に羽田空港に導入されたCL02の機能を拡張する付属装置として新たに開発されたものである。従来搭載されていたカーペットなどの清掃機能に加え、新たにターミナル内の壁面及び床面への消毒液の噴霧が可能となっている。CL02の最先端の自律走行技術を活用し、事前に設定されたエリアを正確かつ自律的に稼働させることができる。

次世代型清掃ロボットCL02
ターミナルでの消毒作業
消毒液噴霧機を搭載したCL02

今後の展望

 国土交通省および経済産業省との連携のもとで運営されているHaneda Robotics Labにより、性能および安全性の検証を目的とする実証実験が実施され、その両方の評価を満たしたことから、消毒液噴霧機能を搭載したCL02が正式採用されることになった。同社は今後も羽田空港の各関係者と連携しながら「世界に先駆けた空港におけるロボット技術活用の未来像」を創出し、他の空港の安心・安全・清潔についても貢献できるよう展開を進めていく。また、CL02の自律走行技術と機能拡張性を活かし、様々な領域へのロボットの適用を提案していく、としている。

参考

清掃ロボットCL02:日本の玄関口の羽田空港と成田国際空港に本格導入(2019年11月14日)
https://www.cyberdyne.jp/wp_uploads/2019/11/20191114_PR_CLAirport.pdf

羽田空港リムジンバスがHAL(R)腰タイプ作業支援用を本格導入(2016年11月18日)
https://www.cyberdyne.jp/company/PressReleases_detail.html?id=5095

羽田空港への次世代型ロボット導入の基本合意書を締結(2015年7月2日)
https://www.cyberdyne.jp/company/PressReleases_detail.html?id=3180