2020年2月4日、テラドローンヨーロッパは、ユニリーバと共同で、同社が販売するアイスクリーム「ベン&ジェリーズ」をドローンで自動配送する実証実験を実施したことを発表した。

テラドローンヨーロッパメンバーと、アイスクリームのドローン配送事業「Ice Cream Now」担当のユニリーバメンバー(右から3番目はユニリーバCEOのアラン・ジョープ氏)

 同実証実験は、ユニリーバによるアイスクリームのドローン配送サービス事業「Ice Cream Now」の一環として、同社の投資家向けイベント「Unilever Investor Event 2019」にて実施された。

 今回の実証実験では、マルチコプタードローンに配送用ボックス(写真1)を装着し、ベン&ジェリーズのミニカップ(各72g)を3つ格納。これらを積載したドローンは、実験前に設定した飛行経路に従い、ユニリーバUSの施設内にて、自動配送することに成功した。

写真1:ベン&ジェリーズのミニカップを格納した配送用ボックス

 ユニリーバは、2017年にアイスクリームの配送サービス「Ice Cream Now」を開始しており、すでにこのサービスはグローバルで数百億円規模の事業に成長。同社は、将来のドローン飛行における規制緩和を見据え、より多くの顧客に、より早く商品を届けるドローン物流サービスの準備を進めている。

テラドローンのドローン配送に向けた取り組み

 2019年12月、テラドローンは中国のドローン物流企業アントワーク社との資本業務提携を発表。国内における独占代理店として、同社のドローン物流システムを販売するとともに、食料品の出前サービスの提供を開始した。さらにテラドローンが有する技術を組み合わせることで、より優れたドローン物流システムを共同開発していくという。

 また2019年10月には、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)との覚書の中で、両社はアフリカにおけるコールドチェーン(医療用物資を低温に保つ物流方式)の改革を目指すことを決定している。

 このほかにも、テラドローンはドローン配送には必要不可欠なUTM(ドローン運行管理システム)の実証実験を多数行っており、物流サービスの提供に向けて取組みを進めている。

 テラドローンヨーロッパの取締役である植野佑紀氏は、「ドローンを通じて人手不足や二酸化炭素の排出など、物流分野における深刻な問題を解決していきたい。2020年を迎えた今年、世界各地で規制緩和が進み、ドローンによる都市部での物流も可能になっていく。今後も実証実験を通じて、安全なシステムやサービスの設計開発と運用管理に向けて準備を進めたい」と語った。

 テラドローンとユニリーバは、今後も物流サービスにおいて協力していく、としている。