2019年10月23日、A.L.I. Technologies(以下 A.L.I.)は、UAV無人航空機(ドローン)の群制御、航空管制を可能にするトラフィック管理プラットフォーム「C.O.S.M.O.S(コスモス)」の開発及び実証試験を完了したことを発表した。C.O.S.M.O.SはUAVの自動運用の原則となる、機体の健全性、運用の確実性、周辺と運用者の安全性をより確実に計画・監視・管理することを可能にするための、ドローンを含むUAV並びにエアモビリティのプラットフォーム技術である。

 近年UAV技術は高度なセンサーによる機体制御技術、バッテリー技術、機体デザイン技術を背景に飛躍的な進化を遂げてきた。物流、点検、防災、農林水産などの幅広い応用分野から、新たなビジネスを生み出し、社会=ソサエティ5.0の重要な存在として、産業用UAVには多くの期待がある。まさにエアモビリティ社会とは航空のデジタル化時代であり、空のビジネスの概念を変え、生活を変える。同時にUAV飛行数を格段に増加させ、空港の役割は、我々の家であり、職場であり、商業施設であり、公共の施設というように、生活の様々な場所がUAVを安全に離発着させる場となる。しかし、この様に劇的な拡大は容易ではない。空域の再設計だけではなく、それを実現化する群制御・航空管制プラットフォームは柔軟なアーキテクチャで、局所と全体性の双方を兼ね備える必要がある。同時に行き交う全ての情報は、途中改ざんされることは許されない。

 C.O.S.M.O.Sは、このような必要条件を満たすプラットフォームとして、A.L.I.が保有する、UAV制御技術、位置測位技術、ブロックチェーン技術を投入し、日常的に飛行する数千数万のUAVを安全に確実に管理する。インターネットが今日におけるオープンプラットフォームとして爆発的な拡大をもたらしたことと同様に、C.O.S.M.O.Sはブロックチェーン技術により、オープンプラットフォー ムとして独立性を持ち、特定の企業や団体に属することなく、エアモビリティ社会の礎となると確信しているという。

 FAI国際航空連盟 Drone Racing総責任者で、フランスオリンピック委員会事務局次長を務めるブルーノ・ドロール氏は、今回FAI国際ドローンレースが採用し、国際特許を取得したC.O.S.M.O.Sについて、”クルマの国際規格がレースを通じて発展したように、ドローンだけではなく、エアモビリティなど空のインフラ形成と社会実装に必要なシステムはいつの時代もレースを通じて培われ、そしてグローバルスタンダードへと進化していくことに賛成している” とし、今回東京モーターショーで行われるレースについても、I wish a great success for this first FAI Challenge Cup drone race in Tokyo and hope new technology to develop through the event.と述べた。

ブルーノ・ドロール氏

 C.O.S.M.O.Sが採用された「Drone Tokyo 2019 Racing&Conference」は、11/1(金)、2(土)の二日間、東京モーターショーにおいて開催される。詳しくは下記を参照。