2019年10月17日、ウェザーニューズは朝日航洋、テラドローンと共に、電力施設内におけるドローンを使った施設点検、および有人ヘリコプター/ドローンの運航管理実験を行ったことを発表した。
ウェザーニューズの有人ヘリコプター運航管理システム「FOSTER-GA」と、テラドローンが提供しているドローン運航管理システム “Terra UTM” が情報連携することにより、(図1)有人機と無人機の位置関係が一つのモニター上にリアルタイムに一元表示/管理できた。更に朝日航洋が保有する有人ヘリコプターに、ウェザーニューズの機内持ち込み型運航支援ツール「FOSTER-NAV」を通じて迅速にその情報を伝えることで、ヘリコプターとドローン間の衝突回避の有効性を確認することができた(図2)。
同実験の背景として、有人航空機とドローンの衝突による事故が海外にて発生、国内においてもニアミス事例(※1)が発生していることが挙げられる。
※1:有人航空機のニアミス案件の実例「航空機と無人航空機、無人航空機同士の衝突回避策等について(国土交通省航空局、2016年11月8日)http://www.mlit.go.jp/common/001153086.pdf 」P.16参照。
同実験では、朝日航洋が保有する有人ヘリコプターを空港から離陸させ、同時にテラドローンが保有するドローンを電力施設内で飛行させ、これらの衝突を模擬することで、上記システム連携の動作を確認・評価した(図3)。ただし実際の衝突を回避する措置として、有人ヘリコプターとドローンの飛行高度を大きく変え、水平位置関係のみにて衝突を模擬する実証を行った。
電力施設点検用ドローンと有人ヘリコプターの共同作業の安全が担保されることで、電力施設点検用ドローンの社会実装をより一層進めることが可能になった(図4)。
ウェザーニューズは今後、悪天候回避に加え、衝突回避技術を確立することで、有人ヘリコプターとドローンがともに安全に運航できる環境整備を進めていく、としている。