2019年9月17日、テックファームは、農地の生育状況を確認できるアプリとシステムを開発し、ドコモに提供したことを発表した。ドローンで農地の生育状況を確認し、スマートフォンアプリによる自動操縦で農地を撮影し、システムでその写真を解析することで生育状況を確認できる。同アプリとシステムは、ドコモが提供するドローン農作業支援システムの一部として採用された。病害虫の早期発見や収穫量予測の精度向上など、人手不足の解消・畑の管理効率化に貢献する、としている。

 同社が開発したのは、ドローンを自動操縦で畑の上空に飛ばして撮影する Android アプリと、そのアプリと連携して撮影した畑の写真を解析するシステム。ドローンを指定の場所に設置し、アプリのボタンを押すだけで自動操縦がスタートする。アプリはシンプルなデザインにすることによって操作性を高め、ドローンやスマートフォンを使い慣れていない農業従事者の方でも簡単に扱えるようにしたという。

 ドローンのスマートフォンアプリ開発は、安全な動作検証を実機で行うために専門的な知識や操縦技術を持つ人材の確保が必要となり、ユーザー企業にとって障壁が高いものである。テックファームでは、開発担当者が「DJI スペシャリスト」(※)の資格を有しており、アプリ開発からドローンのオペレーションまでワンストップでの提供が可能である。また、テックファームが提供する IoT プラットフォーム「MoL」を活用することで、収集したデータを別のシステムと自動で連携できる。

 同社は、今後も産業用ドローン向けのスマートフォンアプリ開発によって、農業、点検、防災といった幅広い分野でのドローン活用に貢献していく、としている。

※DJI スペシャリストとは:DJI JAPAN が認定をおこなう操縦者向けの民間資格。ドローンの正しい知識、操縦方法、飛行モラルを習得しているかを評価するもの。国土交通省への飛行許可申請を行う際には、操縦の知識や能力に関する確認を簡略化することができる。