ミツイワは、ドローン(小型無人飛行機)による漁業密漁の監視抑止サービスにおける映像解析に、コムウェアの画像認識 AI 「Deeptector®」を採用することを決定し、漁場におけるフィールド検証を 2018 年 4 月から開始することを発表した。

 漁者の手口が巧妙化、悪質化する中で、その対策は漁業関係者を悩ませる大きな課題となっている。現状は漁業関係者自らが目視監視することで密漁を抑制しようとするケースがほとんどである。しかし、これに伴う体力的負担やコストは大きく、仮に密漁現場を発見できても関係機関に通報している間に密漁者が逃亡したり、監視の過程で密漁者から攻撃を受けるなど効果を上げるのが難しい上にリスクを伴う状況にある。

 ミツイワは、この課題を解決すべくドローンによる漁業密漁監視の実証実験を複数の漁業協同組合やドローン事業のアライアンス先であるセベックの協力を得て進めてきた。密漁が行われる夜間の監視に適したカメラの選定や最適運用航路の調査・検討などを進めつつ、データ収集を継続している。

 コムウェアは、画像認識 AI 「Deeptector」 により人の目による判定・判別を伴う様々な業種・業態に対し、AI による自動化・省人化の提案・導入を進めている。特に監視・検閲、インフラ劣化診断、製品外観検査の各分野で高い評価を得ている。

 両社は、ドローンで撮影・収集した漁業密漁監視の映像を画像認識 AI 「Deeptector」で解析する実証実験を2018 年 1 月より進めた結果、密漁の監視抑止に大きな効果が期待できることを確認した。

 これらの過程を経てミツイワは、“ドローンによる撮影~画像認識 AI 「Deeptector」 による解析~関係機関へのリアルタイム通報” の一連の作業を想定したフィールド検証を、全国の漁業協同組合の協力を得て 2018年4月より開始し、フィールド検証結果をもとに順次サービスを開始していく。その過程で NTT コムウェアは、画像認識 AI 「Deeptector」 における学習等を継続的に進め、密漁対策に最適な画像認識 AI を提供する。

ドローン×DeeptectorR による漁業密漁の監視抑止 サービスイメージ