ドローンサッカーとは、トイドローンなどを使用して行うサッカー、ドローンレース、eスポーツ、格闘技の要素を併せ持つ新感覚スポーツのことだ。

ドローンサッカーの特徴

 ドローンサッカーは従来のスポーツとは全く異なる独自の魅力を持つ。

 ドローンサッカーは球形のガードで保護されたドローンを使用し、5対5の対戦形式で行う。試合中はリング状のゴールにドローンを通過させた回数で算定される得点で勝敗が決まる。

 最大の特徴は、サッカー、ドローンレース、eスポーツ、そして格闘技の要素を巧みに融合させた最新の戦略型スポーツであることだ。選手は単にドローンを操縦するだけでなく、チームとしての戦略、判断力、そして仲間との緊密な連携が求められる。教育的および個人的なメリットとして、ドローン操縦技術の向上はもちろん、チームワークとコミュニケーション能力を高めることが可能。プレイヤーは瞬時の判断力、戦略的思考、仲間との協調性を養える。

 ドローンサッカーは、誰もが平等に楽しめるバリアフリースポーツとして設計されており、年齢、性別、障がいの有無を問わず楽しむことができる。

 また、eスポーツとしての将来性も非常に高く、地域活性化にも大きく貢献する可能性を秘めている。

 ドローンサッカーは、単なるスポーツを超えて、テクノロジー、教育、エンターテインメントが融合した新しい形の競技体験を提供するスポーツだ。そのため、初心者でも楽しめる親しみやすさと、高度な技術を要する奥深さを兼ね備えた、21世紀型のスポーツと言えるだろう。

ドローンサッカーのルール

(出所:資料をもとにせりぽよが作成)

 ドローンサッカーは、5対5のチーム戦で行われる最新の戦略型スポーツだ。専用の球形ガード付きドローンを操縦し、リング状のゴールを通過させることで得点を競う。

 ドローンサッカーのチームは、5人のうち1人が「ストライカー」として得点を狙う役割を担い、残りの4人はアシストや防御を担当する。チーム構成に男女や年齢の制限は無い。

 試合は、1セット3分で行われる3セットマッチ形式が基本だ。各セットの間には5分間の休憩が設けられ、バッテリー交換や機体整備を行うことができる。

 各セットの得点数を競い、より多くのセットを獲得したチームが勝利する。

 得点は、ストライカーのドローンが相手チームのゴール(リング状)を通過した場合のみ有効点となる。ストライカー以外のドローンが相手ゴールを通過しても得点にはならない。

 試合を行うフィールドはスカイフェンスと呼ばれるフェンスで囲まれた専用ケージが使用される。ドローンサッカーの公式大会を主催する「日本ドローンサッカー連盟」では、以下のようにフィールドのルールを設けている。

  • 四方と天井をネットやワイヤーなどで囲う構造
  • 床の底材は、緩衝材を使用する場合、機体を置いた際に1cm以上沈まない構造とする
  • サイズは、短辺7m、長辺16m、高さ4.5~5mとする
  • スカイフェンス内に中心線を設ける
  • 「スターティングポイント」を競技場の短辺から1.5m以上離し、点か線で表示する
  • 「操縦スペース」はスカイフェンス短辺より2m以上のスペースをとって設置する

 フィールドのほか、ゴールの形状、ドローンボール、選手の装備などについても細かく規定が定められている。

ドローンサッカーの歴史

ドローンサッカーの年表
(出所:資料をもとにせりぽよが作成)

 ドローンサッカーは、2016年に韓国で初めて誕生した。韓国では、ドローン技術の進化とともに、若者を中心にこの新しいスポーツが広がっている。

 ドローンサッカーは世界中で普及し始めており、2025年には韓国で世界初のドローンサッカーワールドカップが開催される予定だ。

 2019年にオートバックスセブンが日本代理店となったことをきっかけに、日本にも導入され始めた。同年には日本ドローンサッカー連盟(JDSF)が設立され、その後も日本ドローンサッカー協会の設立や競技のルール・運営の整備が行われた。

 ドローンサッカーは日本国内において、学校の部活動や大学のサークル、社会人チームなどで急速に普及しており、コミュニケーションの架け橋として活用されることも多い。

 各地で大会や体験会が開催され参加者が増加する中でメディア露出も増え、2020年時点ではドローンサッカーの日本国内競技人口は1,000人以上といわれる。