ドローン運航におけるロケハンティングとは、ドローンを飛行させる予定である場所やその周辺を飛行実施前に訪れ、安全にドローンを飛ばすために必要な事前確認として行う行為の名称である。

ドローン運航におけるロケハンティングの目的

 ドローンは航空法を始めとした、様々な法令の規制を遵守して飛行させなければならない。加えて、ドローンは操作を誤れば人を害する恐れがある。そのため、ドローンを飛ばす際には、念入りな安全確認が重要だ。

 ロケハンでは実際にドローンが離着陸する場所を確定させるほか、飛行予定ルート周辺にリスクとなる要素がないか、万が一の時にどこに避難させるかなどを確認する必要がある。

 また、ストリートビュー等で事前に確認していたとしても、確認した状態が必ず最新情報であるとは限らないことも考えなければならない。ストリートビューに映っていなくとも、実際現地を訪れたら工事を行っていたということなどは珍しくないため、よっぽどのことがない限りは飛行前に一度ロケハンを行うことを推奨する。

 安全確保の観点からは、立入管理を行う場所や補助者等を配置する場所を確認するのも、ロケハンの目的のひとつだ。離着陸場所周辺だけではなく、人や車の流れや多さなどについても確認することが望ましい。

ドローン運航におけるロケハンでの確認事項例

確認事項が記載された表
(出所:資料をもとにせりぽよが作成)

 運航の目的によって異なるが、ドローン運航におけるロケハンでは以下のような点について確認することが多い。

  • 飛行予定経路直下での第三者や車両の往来数
  • 飛行ルート内に飛行の障害となる地形や建造物があるか
  • 電波干渉の影響になりうるような高電圧線や電波塔があるか
  • ドローンがぶつかりそうな電線があるか
  • 野鳥の飛来数は多いか
  • 第三者や車両の立ち入りがあり得るか
  • 電波障害の原因になりそうな鉄骨、マンホールなどがあるか
  • 人の立ち入る可能性がある場所
  • 補助者の配置
  • 飛行ルートにおける望ましいフェールセーフ設定
  • 風下から風上に向かっての飛行が可能か
  • 緊急着陸先として望ましい場所

 なお、住宅街で屋根点検を実施するような場合は、操縦者だけでなく補助者等も飛行ルートを把握できるように飛行経路を共有すると良い。以下は共有方法の一例である。

撮影ポイントと飛行経路を書き込んだ家屋の画像
(出所:資料をもとにせりぽよが作成)