迷惑防止条例とは 意味／解説／説明

卑わいな撮影・覗き見

　迷惑防止条例では、「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為」や「通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること」を禁止している。

• 住宅地や私有地上空からのドローンを用いた覗き見
  　他人の住居や私有地を覗き見する目的でドローンを飛行させる行為は、迷惑防止条例における「覗き見」にあたる。ドローンが高性能カメラを搭載している場合、窓から屋内を覗き見ることが可能になり、プライバシー侵害となる可能性が高い。
• プライバシーが守られるべき場所でのドローン飛行と撮影
  　ベランダや家の中といった、通常は他人の視線が遮断され、プライバシーが強く要求される場所へのドローン侵入や撮影は、迷惑防止条例違反となる可能性が極めて高い。
• 正当な理由なしに特定の人物をドローンで追跡・撮影する行為
  　ドローンを使い特定の人物を追跡し、性的なまたは悪質な目的など、正当な理由なしに撮影する行為は、迷惑防止条例における「卑わいな行為」および「つきまとい行為」に該当する可能性がある。

盗撮

　東京都の迷惑防止条例では「通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること」を規制している。

　これは実際の撮影有無に限らず、盗撮目的でカメラを向けたり設置したりする行為も抵触する。

• ドローンを用いた無許可での人物撮影、特に水着や下着姿など
  　水着や下着姿など、通常は隠されている身体部分を無許可で撮影することは、迷惑防止条例における「盗撮行為」に該当する。ドローンを使用した場合は、上空からの撮影が可能になるため、より悪質な盗撮とみなされる可能性が高い。
• 許可なく撮影した私的な画像・動画のインターネット上への公開
  　無許可で撮影した私的な画像や動画をインターネット上に公開することは、プライバシー侵害として迷惑防止条例違反となる可能性が高い。なお、人の顔やナンバープレート、表札、住居の外観、住居内の住人の様子、洗濯物その他生活状況を推測できるような私物が撮影映像等に写り込んでしまった場合には、プライバシー侵害となる可能性があるため映像加工などの配慮が必要だ。

つきまとい行為等の禁止

　東京都では、つきまとい行為等の規制において物理的・電子的な監視・追跡行為・嫌がらせやプライバシー侵害行為、精神的苦痛を与える行為などを規制している。

　正当な理由なく相手に不安を感じさせるこのような方法を反復してドローンで行った場合、迷惑防止条例に抵触する可能性が高い。

　具体的には、以下のような行為が迷惑防止条例に抵触する。

• 特定の個人の自宅周辺を執拗にドローンで徘徊すること
• 通勤・通学経路に沿ってドローンで追跡すること
• 勤務先や学校の付近をみだりにドローンでうろつくこと
• ドローンのカメラを使用して特定の人物の行動を継続的に監視すること
• 特定の個人の移動経路を妨害するように飛行すること
• ドローンのカメラを意図的に特定の個人に向けること
• ドローンで撮影したデータを使用してSNSや通信手段で「あなたを常に監視している」と暗示すること
• ドローンを特定の個人の近くに飛行させ、その個人が常に監視されていると感じさせること
• ドローンの飛行音や存在を執拗に感じさせること
• ドローンを威嚇的に低空飛行させること
• 人の近くで急激な飛行操作をすること
• 意図的に人に接近して恐怖心を煽ること
• 夜間や人通りの少ない場所でドローンを飛行させ、人が不安を感じるような方法で操作すること
• ドローンに通信機能を付加し、連続的に音声や映像を送信すること
• 相手が拒否しているにもかかわらず、繰り返しドローンを飛行させること
• GPSや通信機能を利用して、特定の個人の位置情報を無断で記録すること
• ドローンで撮影した個人の恥ずかしい映像をSNSに投稿すること