昼間と夜間の海陸風の図解、それぞれの特徴
(出所:資料をもとにせりぽよが作成)

 海陸風とは、海岸地帯に見られる局地的な風であり、昼夜で風向が変化する現象のことだ。

 この風は海と陸の温度差によって生じる、気圧の変化が原因となって発生する。海陸風は、特に日差しの強い夏の沿岸部で顕著に見られる現象だ。

 海陸風に共通する特徴として、風向きが1日の中で逆転することが挙げられる。

 また、風が入れ替わる際には、ほぼ無風状態になり、これを「朝凪」「夕凪」と呼ぶ。海陸風は規模の小さな風であり、低気圧などによる強風時や曇りや雨の日には目立たなくなることがある。

昼間の海陸風(海風)

昼間の海陸風の図解と特徴
(出所:資料をもとにせりぽよが作成)

 昼間の海陸風(海風)は、海から陸に向かって吹く風である。これは、日中に陸地が海よりも早く暖まることで発生する現象だ。

 太陽光によって陸地が暖められると、陸地上の空気が膨張して上昇し、低圧部となる。一方、海上の空気は比較的冷たく、高圧部となる。この気圧差により、海から陸に向かって風(海風)が吹く。

 海風は通常、午前中に始まり、午後に最も強くなる傾向がある。風速は一般的に5m/s前後で、高さは数百~1000m程度に達することもある。海風の影響は海岸線から数十~50km程度まで及ぶことがあるが、地形の影響を強く受けやすい。

 昼間の海陸風(海風)が発生している時におけるドローン飛行時の注意点は以下の通りだ。

海風は風速が5m/s前後であり、午後に最も強くなるため、沿岸部でのドローン飛行は午前中が適している。
海風が強い場合、ドローンの制御が難しくなることがあるため、風速に注意が必要。
海岸線付近では突然の強風に遭遇する可能性がある。
上昇気流の影響で、予期せぬ高度変化が起こる可能性がある。
風向きが変わりやすいため、常に風向きに注意を払う必要がある。

夜間の海陸風(陸風)

夜間の海陸風の図解と特徴
(出所:資料をもとにせりぽよが作成)

 夜間の海陸風(陸風)は、陸から海に向かって吹く風である。これは、夜間に陸地が海よりも早く冷えることで発生する現象だ。

 日没後の陸地は海よりも早く冷却され、冷えた陸地の空気は重い。これにより、空気が下降して高圧部となる。一方、海上の空気は比較的暖かく、低圧部となる。この気圧差により、陸から海に向かって風(陸風)が吹く。

 陸風は通常、日没後に始まり、夜間を通じて続く。風速は海風よりも弱く、~5m/s程度であり、高さも400m程度と海風よりも薄くなる傾向がある。

 夜間の海陸風(陸風)が発生している時におけるドローン飛行時の注意点は以下の通りだ。

陸風は夜間を通じて吹くため、夜間の沿岸部でのドローン飛行では風向きに注意が必要。
陸風は風速が~5m/s程度で、風が弱くなるため日中よりも飛行が比較的安定しやすい。
陸風は海に向かって吹くため、沖合から陸に向かって飛行する際は向かい風となり、日中よりも飛行時間が長くなる可能性がある。
海岸線付近では風向きが陸から海に変わるため、ドローンが海上に流される可能性がある。